AMD デザイン ツールの WebTalk 機能

お客様のデザイン情報に基づいて、AMD のソフトウェアおよびハードウェアはさらに使い易く進化します。

ISE™ および Vivado™ Design Suite の WebTalk 機能は、お客様がどのように AMD FPGA デバイス、ソフトウェア、および知的財産 (IP) を使用しているかを理解することを目的としています。WebTalk で集められた情報をもとに、AMD は機能の向上を目指し、現在そして今後お客様が求めるニーズに対応した製品を提供するために努力を続けます。

1. WebTalk の概要

WebTalk は、Vivado および ISE Design Suite の安全なデータ収集機能で、お客様がどのように AMD FPGA デバイス、ソフトウェア、および知的財産 (IP) を使用しているかを把握するために開発されました。

WebTalk は、お客様が使用するシリコン デバイス、ソフトウェア、および IP に関するさまざまな情報を収集します。AMD は、お客様がどのようにしてそれらを使用しているかを理解することによって、デザイン トレンドに対応した製品および機能を開発し続けるために活用します。

2. WebTalk への参加

ISE または Vivado の WebPACK ライセンスを使用している場合を除き、WebTalk への参加は任意となります。WebPACK ユーザーは WebTalk のデータ送信が必須となります。WebTalk 機能を無効にした場合、データは送信されません。ただし、WebPACK ライセンスでビットストリームを生成する場合は、データが送信されます。

はい。WebTalk 機能は、ビットストリーム生成を実行するライセンスの種類に基づいてデータ送信を行います。無償の ISE および Vivado WebPACK ツールをご利用の場合は、常にこの機能が有効になります。この場合、WebTalk 機能は、インターネットに接続されていないマシンへ介入したり、コンパイルを阻止することはありません。

はい。WebTalk 機能は、インターネットに接続されていないマシン上でのコンパイルを阻止することはありません。

3. WebTalk の Preferences 設定

ビットストリーム生成フローの WebTalk 動作

この表では、ISE Design Suite のライセンス、WebTalk インストール プリファレンス、および WebTalk ユーザー プリファレンス設定条件に基づいて、ビットストリーム生成後にザイリンクスへデータを送信する際の WebTalk の動作を説明しています。

デザイン フロー
ISE Design Suite のライセンス WebTalk のインストール プリファレンス WebTalk のユーザー プリファレンス AMD への WebTalk データ送信
ビットストリーム WebPack 無視 無視 はい (送信する)
  全エディション 有効 有効 はい (送信する)
  有効 無効 いいえ (送信しない)
無効 無視 いいえ (送信しない)

WebPACK ユーザーは WebTalk 機能が常に有効になります。したがって、WebPACK ライセンスを使用してビットストリームを生成する場合は、WebTalk によってユーザー/インストール プリファレンス設定が上書きされます。デザインが WebPACK を含むデバイスを使用している場合や WebPACK ライセンスが利用できる場合には WebPACK ライセンスが常に使用されます。詳細については、 アンサー レコード 34746. をご参照ください。

iMPACT の WebTalk 動作

この表では、WebTalk のインストール プリファレンス、および WebTalk のユーザー プリファレンスに基づいて、iMPACT から AMD へデータを送信する際の WebTalk の動作を説明しています。有効の場合、iMPACT はすべてのセッション終了後 (iMPACT を閉じるとき) に WebTalk 機能をとおして使用統計データを送信します。

デザイン フロー
WebTalk のインストール プリファレンス WebTalk のユーザー プリファレンス AMD への WebTalk データ送信
iMPACT 有効 有効 はい (送信する)
  有効 無効 いいえ (送信しない)
無効 無視 いいえ (送信しない)

次の手順にしたがって、インストール中またはインストール後に WebTalk 機能を有効/無効に設定できます。下図のように [WebTalk Installation Options] で [Enable WebTalk to send software, IP and device usage statistics to Xilinx (Always enabled for WebPACK license)] を選択または選択しないことによって、WebTalk 機能を有効または無効にできます。

デザイン ツール インストーラー

WebTalk インストレーション オプションは、設定後に XWebTalk コマンドを使用してに変更できます。WebTalk のインストール プリファレンス設定を有効/無効にするコマンド ラインオプションは次のとおりです。

xwebtalk -install on|off

  • on は WebTalk インストレーション オプションの WebTalk 機能を有効にします。
  • off は WebTalk 機能を無効にします。インストール設定は、以下の場所に保存されます:

Windows - %XILINX%\data\reports\webtalksettings

Linux - $XILINX/data/reports/webtalksettings

注: インストール場所に書き込むには、アドミスレターの権限が必要になります。

WebTalk 機能は、次の手順にしたがってインストレーション中またはインストレーション後にユーザーごとに有効化/無効化できます。WebTalk 機能のユーザー オプションは、下図のように Project Navigator で [Edit] → [Preferences] → [WebTalk] を選択して有効または無効に設定できます。

Project Navigator から WebTalk のユーザー オプションを設定する

WebTalk のユーザー オプションは、下図のように PlanAhead で [Tools] → [Options] → [General] を選択して有効または無効に設定できます。同様に、Vivado で [Tools] → [Options] → [General] を選択して有効または無効に設定できます。

PlanAhead から WebTalk のユーザー オプションを設定する

WebTalk のユーザー オプションは、下図のように impact [Edit] → [Preferences] → [iMPACT] → [WebTalk] を選択して有効または無効に設定できます。

Project Navigator から WebTalk のユーザー オプションを設定する

WebTalk のユーザー オプションは、設定後に XWebTalk コマンドラインを使用して変更できます。WebTalk のユーザー プリファレンス設定を有効/無効にするコマンド ラインオプションは次のとおりです。

xwebtalk -ユーザー on|off
on は現在のユーザー プリファレンス設定の WebTalk 機能を有効にします。
off は WebTalk 機能を無効にします。
ユーザー設定は、以下の場所に保存されます:

Windows
%APPDATA%\Xilinx\Common\version\webtalk
保存場所の
%APPDATA% は:
C:\Documents and Settings\user\Application Data です。

 Linux
/home/user/.Xilinx/Common/version/webtalk

コマンド コンソールに xwebtalk -info と入力してください。

4. WebTalk のデータ収集

いいえ。WebTalk 機能では、お客様のデザインをデザインを模倣できるようなネットリスト情報やそのほかの機密情報を抽出することはありません。

WebTalk 機能をとおして AMD が収集できるデータは次のとおりです。

  • ISE または Vivado Design Suite のバージョン、プラットフォーム情報 (例 :オペレーティング システム、プロセッサやメイン メモリのスピードおよび数)、固有のプロジェクト ID、認証番号、生成日、ターゲット デバイスおよびファミリ情報
  • デザインの構築に使用してデバイス エレメントの数 (例 : レジスタ、LUT、IO、クロック リソース、IP コア、その他のハードウェア エレメント)
  • コンフィギュレーションおよびピンの情報 :
    • DCM、ブロック RAM、DSP48 およびその他のハードウェア プリミティブで使用したピン
    • クロッキングおよび IO コンポーネントに指定したプロパティなどの属性統計データ
  • ネットおよび配線統計データ :
    • 平均のファンアウトおよび配線リソース
    • インプリメンテーション ツールの実行に使用したオプションやソフトウェアによる実行統計データなどのコマンド ライン情報
    • 合成、使用したシミュレーション ツール、使用した各ファイルの数、ツール オプションなどのプロジェクト レベルの統計データ
  • Help の利用情報
  • IP のパラメーター情報
  • フラッシュおよび FPGA プログラミングに関する iMPACT ツールの使用データ

収集される WebTalk データの詳細は、プロジェクト ディレクトリの usage_statistics_webtalk.html ファイルで確認できます。

有効の場合、WebTalk はビットストリームが生成された後にザ AMD へ情報を送信し、その後 iMPACT が終了します。WebTalk のデータ収集は、AMD デバイス用ビットストリームを生成する手段を提供するすべてのデザイン フロー (Vivado IDE、Vivado TCL、ISE コマンド ライン、Project Navigator、PlanAhead、Xilinx Platform Studio、System Generator、XFLOW など)で有効になります。

5. WebTalk のデータ送信

WebTalk は、usage_statistics_webtalk.html (ISE) または usage statistics webtalk.xml (Vivado) ファイルにデータを収集し、このファイルを https (hypertext transfer protocol secure) に POST 送信することによって AMD へ送ります。

ビットストリームが生成されるたびに、WebTalk はusage_statistics_webtalk ファイルにデータを収集し、ビットストリームが生成された後に https (hypertext transfer protocol secure) post 経由で AMD へ送信します。

iMPACT を使用する場合、WebTalk は usage_statistics_webtalk.html ファイルにデータを収集し、すべてのセッションが終了した後 (例 :iMPACT GUI が閉じられるとき)、このファイルを https (hypertext transfer protocol secure) post 経由で AMD へ送信します。

WebTalk は、webtalk.log ファイルに usage_statistics_webtalk が AMD へ正常に送信されたことを示す情報を書き込みます。また、WebTalk は AMD へデータを正常に送信できたことを示すメッセージをコンソールに表示します。

ユーザー コンソールには何もメッセージが表示されません。WebTalk はデータ送信の失敗理由を webtalk.log ファイルにレポートします。

その他の情報

ISE Design Suite 11 またはそれ以前のバージョンにおける WebTalk の動作は次のとおりです。

  • ビットストリーム生成後、Project Navigator からのみ有効になります。
  • device_usage_statistics.html ファイルにデータを収集し、ビットストリーム生成後にこのファイルを https (hypertext transfer protocol secure) post 経由で AMD へ送信します。
  • device_usage_statistics.html ファイルを AMD へ送信することを示すダイアログ ボックスが表示されます。
  • Project Navigator を使用してインストレーション中に有効/無効にできます。