開発準備開始: 信号処理重視の AI エンジン搭載 Versal プレミアム シリーズ

2022 年 4 月 20 日

Versal チップ

今回は、AI エンジンを搭載した Versal プレミアム シリーズを紹介します。次世代レーダー/無線システムには高い信号処理能力が求められ、膨大なデータをコンピューティング デバイスと送受信できることが不可欠です。AI エンジンを搭載した新しい Versal プレミアム シリーズは、航空宇宙/防衛 (A&D) 市場やテスト/計測 (T&M) 市場の信号処理重視アプリケーション向けに構築されているため、これらの要件を満たすことができます。特にレーダー アプリケーション、シグナル インテリジェンス、無線システムや無線デバイスのテスト装置の開発に最適です。

AI エンジン搭載 Versal プレミアム ACAP の紹介

AI エンジン搭載 Versal プレミアム シリーズは、現在カスタマー向けに出荷している既存の Versal プレミアム シリーズ デバイスが含まれる 7nm Versal ACAP (Adaptive Compute Acceleration Platform) 製品ポートフォリオの一つです。AI エンジンを搭載した Versal プレミアム シリーズは、前世代の Virtex UltraScale+ VU13P FPGA と比較して、信号処理能力が 4 倍に向上しています。また、最大 9Tb/s のシリアル帯域幅によって I/O ボトルネックが解消し、100G/600G Ethernet コア、400G 高速暗号化エンジン、DDR メモリ コントローラー、PCIe Gen5 用統合ブロックなどのハード化したコアを ASIC のように統合することで、サイズ、重量、電力を大幅に削減できます。

AI エンジンを搭載した Versal プレミアム シリーズは、既に量産製品として実績がある Versal AI コア シリーズの高度な信号処理機能に、Versal プレミアム シリーズで実現した大規模なデジタル信号処理 (DSP) 演算機能とシリアル帯域幅を組み合わせて実現したデバイスです。AI エンジンと DSP エンジンを兼ね備えた Versal プレミアム デバイスは、前世代の 16nm デバイスや競合製品と比較して、はるかに高い性能を実現できます。下図に、CIN16、FP32、および INT8 の高速化における各デバイスとの比較を示しています。

業界最高クラスの信号処理性能

AI エンジンと DSP エンジンの異なるエンジンを搭載することで、適応型ビームフォーミングなどの A&D 市場向けレーダー アプリケーションから、デジタル RF メモリや方向探知などの RF 機械学習アプリケーション向けの信号処理など、A&D や T&M 分野の設計者はそれぞれのタスクに適切な演算エンジンを割り当てることができます。T&M 市場では、5G プロトコルや出荷テスト、半導体自動テスト装置など、世界的な 5G の展開に伴い今後さらに高まる無線テストの需要に対応します。  

信号処理重視アプリケーション向けに最適化

もちろんそれだけではありません。AI エンジン搭載 Versal プレミアム シリーズでは、すべての機能を低消費電力かつスモール フットプリントで実現できます。レーダー ビームフォーミング アプリケーションでは、ヘテロジニアス演算エンジンによって、2 倍のビームフォーミング性能を 67% の小フットプリントと 43% の低消費電力で実現できます。

レーダー向けの適応性に優れた高速信号処理をすばやく構築

幅広い Versal ACAP ポートフォリオを展開すると同時に、さまざまな開発者向けの開発ツールを提供しています。ハードウェア開発者向けには Vivado ML、ソフトウェア開発者と AI データ サイエンティスト向けには Vitis および Vitis AI 開発プラットフォームを提供しています。また、迅速な設計をサポートするために、AI エンジンのチュートリアルやデモ デザインも提供しています。

AI エンジン搭載 Versal プレミアム シリーズの出荷は、来年前半を予定していますが、それまで待つ必要はありません。現在提供中の Versal プレミアム Versal AI コアの評価キットと既に資料やツールでサポートされているデバイスを使用してプロトタイプを作成し、試用できます。詳細は、Versal プレミアム シリーズの製品ページをご覧ください。