マルチパラメーター患者モニターは、病院や臨床現場の集中治療室、ICU、および救急救命室など、患者のベッドサイドで使用されます。これらの機器は、ECG や EEG などの連続変数、体温や血圧などのサンプリング変数を収集してレポートします。この種の患者モニターは、情報を表示するだけでなく、危険な状態をスタッフに警告したり、放射線データを収集/配布できるほか、さまざまな生命維持装置を監視できます。
信頼性、高解像度ディスプレイ、精度、電力管理、およびセキュリティは、このような患者モニターの必須要件の一部に過ぎません。複数のバイオテレメトリ ソースを瞬時に取得、統合、フィルタリング、そして分析する優れた処理能力が求められます。その上、警告状態の通知、データ表示、ネットワーク経由でデータを送信/照合する必要があります。
現代の臨床現場で活躍するマルチパラメーター患者モニターは、Zynq Ultrascale+ MPSoC などの高機能かつ高性能なシステム オンチップが採用されています。Zynq Ultrascale+ MPSoC は、シングル、デュアル、またはクワッドのコア構成オプションがあり、生体認証アナログ モジュールへの接続 (無線/有線)、フラッシュ ストレージ、USB、さらに複数の高解像度ローカル ディスプレイへの接続をサポートしています。患者モニターは壁面のコンセントを使用してバッテリ動作しますが、将来的にはネットワークに接続されて、解析/格納用にセキュア データをハイブリッド/プライベート クラウドへ送信できるようになります。
ここでは、インターネットに接続されたスマートな高性能低電力患者モニターを構築するための概要ブロック図を示します。ワットあたりの性能や BOM コスト要件に応じて最適に構成されたファブリックを備えたデュアルコア/クワッドコアの Zynq UltraScale+ MPSoC を利用しています。ローエンドのモニター システムを構築する場合は、アーキテクチャ要件に応じて Zynq 7000 デバイスの利用も可能です。
マルチプロセッシング Arm A53 システムは非常に高性能であり、ASSP デバイスに勝るとも劣りません。複雑な要件にはハイパーバイザーを使用して、制御プレーン、モニタリング、診断、および解析などさまざまなタスクにゲスト OS バージョンで動作する Linux で対応できます。リアルタイム タスクには、QNX、VxWorks、Micrium、ThreadX などのサポートされている多くのリアルタイム OS を使用できます。
臨床患者モニターに Zynq UltraScale+ ベースのアーキテクチャを採用する主な利点は次のとおりです。
ヘルスケア分野での高性能およびアダプティブ コンピューティング
技術の進歩により、医療現場は大きな変革を遂げつつあります。この e-book では、業界の主な課題を明確にした上で、技術によって新しい治療方法が登場し、研究が進み、医師がより高い精度で手術を行うことが可能になることを説明しています。是非ダウンロードしてご一読ください。