16 ポートCPRI スイッチのデモ デザイン

高密度化、CRAM 動作、カバー範囲向上を目的とするスモール セル配備などワイヤレス環境の進化に伴い、フロントホールのリンクは帯域幅 (BW) やヘテロジニアス ネットワークへの対応など、さまざまな課題を抱えるようになりました。ザイリンクスは、ベースバンド プロセッシング ユニット (IQ スイッチング) による多数の RRH (リモート ラジオ ヘッド) やデイジーチェーンまたは相互接続された少数の RRH を可能にする軽量イーサネット スイッチ、さらには追加ファイバーやその他の技術を使用せずにフロントホール帯域幅を増加させることが可能な IQ Compression など、スイッチング ニーズに対応するソリューションを提供しています。

POC (概念実証) の概要

このデモ デザインは、ザイリンクスの CPRI IP、I/Q Switch IP、および Lightweight Ethernet Switch IP を使用して、集中型のベースバンド プロセッシング リソースとリモート無線ユニットとの相互接続用に、拡張および再コンフィギュレーションを可能にするフロントホール ネットワーキング ソリューションを提供しています。デモでは、CPRI レート 8 (10.137Gbps) で動作する 16 ポートのスイッチ (8 スレーブ シリアル BBU I/F および 8 マスター リモート無線リンク) を実装しています。このデザインでは、ASIC クラス シリアル トランシーバー搭載のザイリンクス UltraScale デバイスでのインプリメンテーションに最適なザイリンクス CPRI、I/Q Switch、および Lightweight Ethernet Switch IP を使用した、フロントホール スイッチング ソリューションを提供します。

主な特長

  • 16 本の CPRI ポート : 8 スレーブ シリアル BBU IF、8 マスター リモート無線リンク
  • PoC デザインはザイリンクス LogiCORE CPRI IP CPRI レート 8 (10.137Gbps) で動作
  • すべての CPRI IP で共有されるクロッキング ロジック
  • スレーブ同期化モジュールがリンク遅延を測定
  • デザインのコンフィギュレーションおよび制御用に統合された Microblaze プロセッシング サブシステム
  • I/Q Switch がアンテナ キャリア (AxC) レベルのポイント間またはマルチキャスト/ブロードキャスト スイッチング機能を提供
    • 各内部ポートにつき最大 256 タイム スロットで、CPRI レート 8 を超えるレートに対応
    • データ/ルーティングテーブルのダブル バンキングにより、ルーティングのリアルタイム調整が可能
    • AXI-Lite インターフェイスを介してマイクロプロセッサで制御されるルーティング コンフィギュレーション
    • 確定レイテンシ
  • 低コスト、11 ポートの軽量イーサネット スイッチ
    • 4 ポートのギガビット スイッチ : BBU、ローカル マイクロプロセッサ、デバッグ、RRU アグリゲーター/デアグリゲーター
    • RRU CPRI ポート (最大 100Mbps) 用の 8 ポート アグリゲーター/デアグリゲーター
    • 最大イーサネット フレーム サイズ : 2048 バイト
    • 自動および手動のアドレス学習
    • 64 エントリのアドレス テーブル
  • UltraScale デバイスをサポート

アプリケーション

高帯域幅への要求やベースバンド プロセッシング リソースとリモート無線ユニット間の物理的距離の増加に伴い、フロントホール ネットワーキングのコストを最小限に抑えるためには、コンフィギュレーション可能な CPRI スイッチ ソリューションが必要です。集中型のベースバンド プロセッシング (CRAN) などのアーキテクチャ開発によって、ネットワーク リソースが効率的に共有され、資本コストや運営コスト面でメリットが生じます。しかしながら、フロントホール ネットワークの柔軟性は、BBU-RRU のポイント間リンクによって制限されます。

図 1 のワイヤレス システム簡略図では、フロントホール ネットワークの柔軟性を向上させるために CPRI スイッチを使用しています。このデザインでは集中型ベースバンド プロセッシング プールが CPRI スイッチを利用することで、4 つのアンテナをホスティングする 2 つのリモート サイトへ接続できることを示しています。

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図 1 - CPRI IQ スイッチを使用するワイヤレス システムの簡略図

アーキテクチャ

ザイリンクスのワイヤレス通信向けソリューションの詳細は、ワイヤレス IP およびリファレンス デザインのページをご覧ください。

高速シリアル トランシーバー リンク間の切り替えを可能にするため、CPRI スイッチが BBU インターフェイスと RRU インターフェイスの両方に 8 つの CPRI IP コアを実装します。 図 2 に示すように、CPRI スイッチのサブシステムは、ローカルのマイクロプロセッサ インターフェイスを介して設定および制御されます。  PoC デザインには、必要なクロック生成およびバッファリング リソースも含まれています。

図 3 に示す CPRI スイッチング サブシステムのアーキテクチャでは、配線密集を緩和するため、シングル パスのみのバス インターフェイス接続を示しています。 赤線で示したシリアル リンクは、リンクのデータ ストリームをデシリアライズして、それぞれのインターフェイスで I/Q および Ethernet データ スイッチングを可能にする BBU サブシステムと CPRI RRU サブシステムへ接続しています。 ダウンリンク (青) およびアップリンク (緑) の I/Q データ パスは、同期信号を使用してアップリンク データ ストリームをアラインさせる同期化ブロックを介して配線されています。 軽量イーサネット スイッチは、BBU CPRI サブシステムおよび各リモート無線ユニットの 8 デアグリゲート イーサネット リンクへギガビット リンク (オレンジ色) を提供します。  CPRI および Switching IP は、マイクロプロセッサ制御の下で AXI4-Lite インターフェイス (グレイ) を介して設定されます。

図 2 - CPRI IQ スイッチのデザイン

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図 3 - CPRI IQ スイッチのアーキテクチャ

IQ スイッチのアーキテクチャ

IQ スイッチを使用することで、任意の Ingress タイムスロット信号を任意の Egress ポート タイムスロットへ送信できます。Ingress タイムスロット信号は、複数の Egress ポートへ送信することも可能です (マルチキャスト/ブロードキャスト)。この場合、スイッチング ファブリックは、デュアル ポート メモリとして構成された 2D アレイの BRAM として実装されます。Ingress データ フレームは、各列のそれぞれの BRAM で複製されるため、すべての Egress ポートがフレーム内の任意の IQ サンプルへアクセスできます。付加的な BRAM を使用することで、フレーム内の任意のタイムスロットからのデータを任意の Egress ポートのタイムスロットへ転送できるようになります。追加ブロックでは、スキュー調整やタイミングの同期化を行います。

図 4 - IQ スイッチのアーキテクチャ
図 4 - IQ スイッチのアーキテクチャ

軽量イーサネット スイッチのアーキテクチャ

軽量イーサネット スイッチ (Switch) のアーキテクチャは、システムの通常動作時にイーサネット トラフィックがほとんど必要ない複数のダウンストリーム (無線) リンク間で有効な帯域幅を共有することを基本としています。 この PoC サンプル デザインでは、8 つのダウンストリーム CPRI リンクがアグリゲート/デアグリゲートを介して接続され、メイン スイッチへの 1 つのリンクを共有しています。 図 5 では、分かりやすく説明するために、8 本の CPRI 無線リンクのうち 3 本だけを示しています。

図 5 - 軽量イーサネット スイッチのアーキテクチャ
図 5 - 軽量イーサネット スイッチのアーキテクチャ

検証

CPRI スイッチの各コンポーネントは、UVM メソドロジーを使用して個別に検証されています。 選択されたスイッチ コンフィギュレーションの動作は、シミュレーションで検証されています。