ザイリンクス、HPC およびビッグデータ ワークロード専用のザイリンクス史上最もパワフルなアクセラレータ Alveo U55C を発表

画期的な HPC クラスタリング ソリューションとシンプルなプログラマビリティにより、ユーザーの既存インフラストラクチャおよびネットワーク全体で最先端コンピューティングの大規模なスケールアウトが可能に

Nov 16, 2021

SC21 (ミズーリ州セントルイス)、2021 年 11 月 15 日 (米国時間) – ザイリンクス社 (NASDAQ: XLNX) は、スーパーコンピューティング カンファレンス SC21 にて Alveo™ U55C データセンター アクセラレータ カード、および FPGA の大規模運用を可能にする標準ベースの新しい API 駆動型クラスタリング ソリューションを発表した。Alveo U55C アクセラレータは、高性能コンピューティング (HPC) およびデータベース ワークロードにおいて優れたワットあたり性能を実現すると同時に、ザイリンクス HPC クラスタリング ソリューションを使用することで拡張も容易である。

Alveo U55C

HPC およびビッグデータ ワークロードに特化して設計された新しい Alveo U55C カードは、ザイリンクス史上最もパワフルな Alveo アクセラレータ カードであり、Alveo アクセラレータ ポートフォリオ内で最高の演算密度と HBM 容量を達成している。RoCE v2 に基づくこの新しいクラスタリング ソリューションと組み合わせることにより、大規模な演算ワークロード処理を必要とする幅広いユーザーが既存のデータセンター インフラストラクチャおよびネットワークを使用して FPGA ベースの強力な HPC クラスタリングを実装できるようになる。

ザイリンクスのデータセンター グループのエグゼクティブ バイス プレジデント兼ゼネラル マネージャーであるサリール ラジェ (Salil Raje) は、次のように述べている。「Alveo の演算性能をスケールアウトして HPC ワークロードを処理することが、これまで以上に容易に、そして効率的かつ強力なものとなります。Alveo カードのような FPGA ベースのアクセラレータは、アーキテクチャ上、膨大な演算量を必要とするワークロードの多くでコストを最小に抑えて性能を最大化できます。しかも標準ベースのメソドロジを導入することで、ユーザーは既存インフラストラクチャおよびネットワークを使用して Alveo HPC クラスターを構築できるようになるため、あらゆるデータセンターにこれらの利点が大規模にもたらされます。これは、データセンター全体で Alveo およびアダプティブ コンピューティングの導入をさらに拡大していく上での飛躍的な前進となります」

HPC およびビッグデータ アプリケーションに特化した設計
Alveo U55C カードは、現在の HPC ワークロードで必要とされる重要な機能を数多く統合しており、データ パイプラインのさらなる並列化、優れたメモリ管理、パイプライン全体で最適化されたデータ移動、Alveo ポートフォリオで最高のワットあたり性能を実現している。Alveo U55C カードはシングル スロットの FHHL (フル ハイト、ハーフ レングス) フォーム ファクターを採用しており、最大消費電力は 150W に抑えられている。演算密度にも優れ、HBM2 容量は従来のデュアル スロット Alveo U280 カードの 2 倍に相当する 16GB に増えている。フォーム ファクターの小型化と演算密度の向上を両立した U55C により、Alveo アクセラレータ ベースの高密度なクラスター構築が可能となる。特に高密度のストリーミング データ、高 I/O 算術演算、およびビッグデータ分析や AI アプリケーションなどのスケールアウトを必要とする大規模な演算問題に特化した設計となっている。

200Gbps の帯域幅に加え、RoCE v2 と DCB (Data Center Bridging) を利用したこの API 駆動型クラスタリング ソリューションにより、特定のベンダーに縛られることなく InfiniBand ネットワークに匹敵する性能とレイテンシを備えた Alveo ネットワークの構築が可能になる。MPI の統合により、HPC 開発者はザイリンクス Vitis™ 統合ソフトウェア プラットフォームから Alveo データ パイプラインをスケールアウトできる。既存のオープンな規格とフレームワークを利用することで、サーバー プラットフォームやネットワーク インフラストラクチャの種類にかかわらず、数百台もの Alveo カードでワークロードとメモリを共有したスケールアウトが可能となる。

Vitis プラットフォームを使用することで、ソフトウェア開発者およびデータ サイエンティストはアプリケーションとクラスター両方の高レベル プログラマビリティを活かして、Alveo およびアダプティブ コンピューティングの利点を余すことなく引き出すことができる。ザイリンクスは、ハードウェアの専門知識を持たないソフトウェア開発者やデータ サイエンティストもアダプティブ コンピューティングを手軽に利用できるよう、Vitis 開発プラットフォームおよびツール フローに大規模な投資を継続してきた。Pytorch や TensorFlow などの主要な AI フレームワークのほか、C、C++、Python などの高レベルのプログラミング言語もサポートされるため、開発者は特定の API やライブラリを使用してドメイン ソリューションを構築するか、ザイリンクス ソフトウェア開発キットを使用することにより、既存のデータセンター内で主要な HPC ワークロードを容易に高速化できる。

HPC カスタマーのユース ケース
オーストラリア連邦科学産業研究機構 (CSIRO) は、世界最大級の電波望遠鏡 Square Kilometer Array (SKA) の信号処理に Alveo U55C カードを使用している。Alveo カードを HBM 搭載のネットワーク接続アクセラレータとして運用することにより、HPC 信号処理クラスター全体で圧倒的なスループットが実現する。Alveo アクセラレータ ベースのクラスターを使用することにより、CSIRO は 131,000 基のアンテナからのデータを集約し、フィルタリングとプレパレーションを実行して処理するという大規模な演算タスクをリアルタイムで実行することに成功している。P4 対応 100Gb/s スイッチで完全にネットワーク接続した 420 台の Alveo U55C カードにより、信号処理クラスター全体で 460GB/s の HBM2 帯域幅を利用できる。Alveo U55C クラスターは全体的なスループットが 15Tb/s に達するなど優れた処理性能を発揮すると同時に、小型フットプリントと低消費電力でコスト効果にも優れている。CSIRO は現在、ほかの電波望遠鏡や関連産業においても同様の成果が得られるようにサンプルの Alveo リファレンス デザインを作成しており、その完成が間近に迫っている。

Ansys 社の LS-DYNA は、世界中のほぼすべての自動車メーカーが使用する衝突シミュレーション ソフトウェアである。構造安全性評価システムの設計では、CAD の有限要素法 (FEM) シミュレーションを使用することで物理的な衝突テストのコスト削減を図っているため、モデルの性能が特に重視される。FEM ソルバーは数億自由度のシミュレーションを駆動する主要なアルゴリズムで、これらの巨大なアルゴリズムは PCG、疎行列、ICCG などの基本的なソルバーに分割できる。ハイパー並列データ パイプラインを使用して数多くの Alveo カード全体にスケールアウトすることにより、LS-DYNA の性能は x86 CPU を使用した場合の 5 倍以上に向上する。この結果、Alveo パイプラインでは 1 クロック サイクルあたりの作業量が増え、LS-DYNA のユーザーはシミュレーション時間の驚異的な短縮に成功している。

Ansys 社のストラテジック パートナーシップ ディレクターであるウィム スラッター (Wim Slagter) 氏は、次のように述べている。「絶え間ないイノベーションの精神に基づき、ザイリンクスと協力して、当社の LS-DYNA シミュレーション アプリケーションにおいて計算負荷の 90 %を占める静的陰解法 FEM ソルバーを大幅に高速化できたことを嬉しく思っています。当社の使命は将来のエンジニアリング分野におけるイノベーターを支えることであり、ザイリンクスのアクセラレーション テクノロジに今後も期待しています」

最先端グラフ分析プラットフォームのプロバイダーである TigerGraph 社は、複数の Alveo U55C カードを使用することにより、グラフ ベースのレコメンデーションおよびクラスタリング エンジンを駆動する 2 つの主要アルゴリズムのクラスター化と高速化を達成している。グラフ データベースは、データ サイエンティストにとって革新的なプラットフォームである。グラフはサイロからデータを取得し、データ間の関係に着目する。グラフにおいて次なる課題となっているのが、これらの解をリアルタイムに見つけることである。Alveo U55C により、これまで分単位を要していたレコメンデーション エンジンのクエリー時間と予測がミリ秒単位にまで短縮される。複数の U55C カードを使用して分析をスケールアウトすると、優れた演算性能とメモリ帯域幅により、CPU ベース クラスターを使用した場合に比べグラフ クエリー速度が最大 45 倍に高速化する。スコア品質も最大 35% 向上しており、誤検知が 1 桁台前半にまで低下するなど、確度が飛躍的に向上している。

製品の供給体制および容易な評価
Alveo U55C カードは現在、Xilinx.com またはザイリンクス正規販売代理店から入手可能である。また、パブリック クラウド ベースの FaaS (FPGA-as-a-Service) プロバイダーを利用した評価も容易に行えるほか、一部のコロケーション データセンターではプライベート環境でのプレビューも可能である。クラスタリングは現在、プライベート環境でのプレビューにのみ対応しており、一般提供は来年第 2 四半期を予定している。

ザイリンクスは、今週開催される SC21 カンファレンスにて Alveo U55C アクセラレータ カードとパートナー ソリューションを展示する。SC21 に登録の上、ザイリンクスのバーチャル ブースにアクセスいただきたい。

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ザイリンクスについて

ザイリンクスは、クラウドから、エッジ、エンドポイントに至るまで、多種多様なテクノロジで迅速なイノベーションを可能にする、極めて柔軟で適応性のあるプロセッシング プラットフォームを開発している。ザイリンクスが発明したテクノロジには、FPGA、適応型 SoC (ACAP (Adaptive Compute Acceleration Platform) を含む) などがあり、業界で最もダイナミックなコンピューティング テクノロジを提供する。ザイリンクスは、適応性が高く、インテリジェント、かつコネクテッドな世界を実現するため、お客様との協業を通じて、差別化されたスケーラブルでインテリジェントなソリューションを構築している。詳しい情報は、ウェブサイト japan.xilinx.com で公開している。

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