XPS (Xilinx Platform Studio) は、ISE Embedded Edition Design Suite の主要コンポーネントであり、シンプルなステートマシンから複雑な 32 ビット RISC マイクロプロセッサ システムに至る、エンベデッド プロセッサ ベースのシステムを簡単に構築、接続、およびコンフィギュレートできるようサポートします。
XPS のグラフィカル デザイン ビューと最新の Correct-by-Design (構築しながら修正する) ウィザードがカスタム プロセッサ システムの構築に必要な手順をガイドしてくれるため、迅速に作業を進めることができます。
新たに加わった XPS の真のメリットは、AMD エンベデッド IP カタログにあるプラグアンドプレイ IP コアをコンフィギュレートして、カスタム デザインやサードパーティの Verilog および VHDL デザインに統合できるということです。
XPS と AMD SDK の統合により、ファームウェア開発者およびソフトウェア開発者には、ブート ローダー、ベアメタル BSP、Linux BSP などのクリティカルなシステム ソフトウェアを自動生成できるという利点があります。このため、ファームウェア開発による遅延が生じることなく、OS ポーティングやアプリケーション開発を進めることができます。
Zynq™ 7000 SoC は、ARM Cortex A9 デュアル マイクロプロセッサを集積した最新のプログラマブル SoC を提供し、さらにイーサネット、I2C、SDIO, USB、CAN などのハード ペリフェラル セットもあります。また、カスタマイズしたソフト ペリフェラル、デバイス、およびアクセラレーターをインスタンシエートできる AMD プログラマブル ロジックも含まれます。XPS は、使用が簡単なグラフィカル ウィザード を使用して、クロック ドメインの設定、割り込み、DMA、ハード ペリフェラル用の外部接続、およびプログラマブル ロジックのソフト ペリフェラル用の内部接続など、Zynq デバイスのデザイン構築におけるすべての手順をスムーズに行えるようサポートします。つまり、設計者はインターフェイスや接続の不適合を心配することなく、すぐにカスタム デザインを開始できます。
シンプルな 8 ビットのステート マシンから SoC のような複雑な 32 ビット RISC デザインまで、幅広いカスタマイゼーションに対応できるため、プロジェクト特有のさまざまな要件を満たす AMD Microblaze™ を構築できます。XPS を利用して、AMD エンベデッド IP カタログから検証済みのプロセッサ内部 IP (パイプライン、クロック、タイマーなど)、およびプロセッサ ペリフェラル IP (メモリ コントローラー、USB、CAN バス、I2C、イーサネット FPU など)、その他にも多くの IP をデザインに統合することで、何百種類もの Microblaze デザインを構築できます。この簡単に使えるプロセッサ コンフィギュレーション ツールは、サードパーティ RTL やカスタム IP ブロックを統合する機能も備えているため、細かい要件に対応する完全カスタム デザインを構築できます。
XPS は、AMD エンベデッド IP カタログにある IP コアをカスタム プロセッサ デザイン内でドラッグ&ドロップして追加できます。これらの IP コアの例には、ペリフェラル、デバイス、アクセラレータ (AXI ブリッジ、GPIO、PLBV4.6 ブリッジなど)、BRAM/外付けのメモリ コントローラー、シリアル ペリフェラル/クワッド SPI インターフェイス、ADC、グラフィックス、クロック/タイマー、UART、I2C、割り込みコントローラーなどがあります。
AMD カタログ内の IP を使用してさまざまなシステム構築が可能ですが、デザインによっては新規機能を実現するためにカスタム ペリフェラルを構築してインポートする必要があります。ハードウェア設計者は、AMD の [Create and Import Peripheral] ウィザードを使用して、Verilog または VHDL のいずれか、または両方 (混合言語デザイン用) の形式で AXI (バージョン 4) ペリフェラルを構築し、その後 XPS プロジェクトへインポートして、AXI4-Lite、AXI4 (バースト有効)、または AXI4-Stream インターフェイスのいずれかへ接続できます。このウィザードでは、PLB (バージョン 4.6) または FSL ペリフェラルの PLB ベース デザインを統合することもできます。XPS へのインポートはAMD エンベデッド IP カタログの既製モジュールをインポートする場合と同じ手順です。
XPS では、簡単に各 IO ピンを接続、または内部プログラマブル ロジックのエンドポイントを任意のエンドポイントへ接続することができます。物理的なピンを介してオフチップから PC ボードへのリンク、あるいはオフチップからプログラマブル ロジック内の別のデバイスへのリンク接続を簡単に確立でき、その上、確実な配線、信号、および電圧レールが保証されています。。また、Zynq 7000 SoC デバイス ファミリの場合、XPS はプロセッシング システム デバイスを適切な出力ピンへ配線するビルトインの IO マルチプレクサのコンフィギュレーションも管理します。
AMD FPGA や Zynq 7000 SoC などのプログラマブル ロジックの周囲に構築されたカスタム デザインには、第 1 段階ブートからデバイス インスタンシエーション (ビットストリーム) や初期化、そして最終的にデバイス特定のインターフェイス (ソフトウェア スタックによる) に至るまでをすべて管理するカスタム ファームウェアが必要です。ファームウェア開発とカスタム ハードウェア デザインの間には厳しい依存関係が生じるため、このようなファームウェアを構築することは非常に困難です。XPS では、ハードウェア、プロジェクト、およびデザイン固有の情報を AMD SDK と共有することでこの問題を解消し、次に示すデザイン固有のクリティカルなファームウェアを自動でコンフィギュレート、構築、デプロイできます。
AMD エンベデッド IP カタログから採用されたデバイスに対しては、SDK が BareMetal 形式のデバイスドライバと BSP を作成します。ドライバは、Linux, RTOS の他に OS なしの環境に対応します。このようにして、XPS を利用することによって、ブート、OS、およびアプリケーション開発を進める前に必要となるファームウェア開発やローレベルの BSP 開発における大部分の手間を省くことができます。
AMD のハードウェアを意識 |
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AMD エンベデッド IP カタログを統合 |
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グラフィカルなコンフィギュレーション ウィザード |
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保証された確実なコネクティビティ |
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AMD のツール フローと統合/関連 |
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