AR# 50653

SelectIO デザイン アシスタント: IBIS モデルおよびシミュレーション - IBIS モデルの背景

説明

このアンサーでは、I/O 用の IBIS モデルについて説明します。IBIS モデルの構造、およびこのシミュレーション モデルの I/O 動作の表現方法を説明することを目的としています。

このアンサーは、SelectIO ソリューション センター (Xilinx Answer 50924) のデザイン アシスタント (Xilinx Answer 50926) の一部です。

ソリューション

I/O 周波数が高いとシグナル インテグリティの問題に直面する可能性が高まるため、プロトタイプ作成前に、これらのインターフェイスをシミュレーションすることが不可欠です。

ボード インターフェイスをシミュレーションするには、そのインターフェイスに関連付けられているボード上のすべてのコンポーネントをモデル化する必要があります。IBIS は電気的モデル規格で、EDA ベンダーの間で広く認められているビヘイビアー構文でボード コンポーネント (IC バッファー、コネクタ、および伝送ライン) のコンポーネント モデルを定義するのに使用されます。

IBIS は I/O Buffer Interface Specification の略で、電子工業会 (EIA) により規定されています。I/O スイッチングおよびパッシブ コンポーネント ビヘイビアーを表形式でモデル化します。

IC の IBIS モデルは I/V 出力カーブ、立ち上がり/立ち下がりの遷移データ、デバイスのパッケージ寄生情報から構成されています。

IBIS モデルは I/O バッファーの電気特性に関する情報を提供することを目的にしていますが、通常は、システムまたはボード レベルのタイミング解析の遅延計算には使用されません。

ザイリンクス SelectIO IBIS モデルは、デバイス ファミリの実際の I/O 回路の HSPICE モデルから抽出されています。

IBIS は、CMOS、BiCMOS、TTL といった主なテクノロジーに関連付けられているベースライン アーキテクチャを導入しました。

次の機能が含まれていました。

  • 人間が解読できる ASCII ファイル フォーマット (.ibs) で、ヘッダー情報あり
  • コンポーネント (ピン配置) およびデフォルトのパッケージ モデル L_pkg、R_pkg、C_pkg
  • ピン別のモデル選択および L_pin、R_pin、C_pin
  • モデル (電気的)
  • モデル タイプ (入力、出力、トライステート、I/O、オープンドレイン)
  • 電圧に相対したプルアップ、プルダウン、グランド クランプ、電源クランプ I/V の表
  • 立ち上がりおよび立ち下がり遷移を定義するためのランプ dV/dt_r、dV/dt_f
  • ダイ キャパシタンスの C_comp
  • パフォーマンス コーナーを標準、最小、最大の列に分けて表示
  • 温度および遷移ロードの条件を定義

IBIS の CMOS I/O モデルは一般的に次のように表されます。


 

入力バッファーがない点に留意してください。これは、ほとんどの CMOS 入力バッファー回路が非常にハイ インピーダンスであるためです。シグナル インテグリティのモデル化に唯一関連している情報は、入力スイッチングしきい値です (どの入力または双方向ピンにも提供されています)。

モデル ファイルの構造

各ザイリンクス IBIS モデル ファイルには、ヘッダー セクションがあります。そこには次の情報が含まれています。

  • IBIS のバージョン
  • モデルのリビジョン
  • IBIS モデルが抽出された Spice モデルなどのソース
  • 免責事項
  • 著作権

それに、一部のデバイス情報、すなわりコンポーネント名と一部の基本パッケージ寄生パラメーターが含まれています。 

R_pkg、L_pkg、および C_pkg の値は、デバイス パッケージ ピンに関連付けられているデフォルトのパッケージ寄生値を表しています。 

コンポーネント パッケージ情報の後に、[Pin] マッピング セクションが続きます。このセクションのピンはそれぞれ、デバイス バッファー モデルにマップされています。ザイリンクス FPGA の場合、非常にたくさんの I/O 規格がサポートされいるため、ファミリ別の IBIS モデル ファイルの各ピンにサポートされている I/O 規格を割り当てます。 

マッピング セクションは IOSTANDARD に対し正しいモデルを選択します。たとえば、DIFF_SSTL12_T_DCI_S_HP_O_P はドライバーの同等モデルである SSTL12_DCI_S_HP_O にマップされ、DIFF_SSTL18_I_S_HP_P と DIFF_SSTL18_I_S_HP_N はどちらも SSTL18_I_S_HP にマップされます。両方ともシングルエンドの IOSTANDARD であり、同等モデルは SSTL18_I_S_HP だからです。

このセクションの後には、個々の I/O 規格モデルが含まれている [Model] セクションが続きます。各 [Model] セクションの上部には、モデル タイプ (I/O、入力専用、出力専用など)、極性、イネーブル ピン、入力しきい値 (Vinl/Vinh)、抽出回路に関連した参照寄生情報、I/O パッドの総キャパシタンス (C_comp) が記載されています。

[Model] セクションの各モデルに対し、出力バッファーのプルアップおよびプルダウン トランジスタが DC I/V 特性の表 ([Pullup] および [Pulldown])、および AC V/T の表 ([Rising Waveform] および [Falling Waveform]) に表記されています。これらの表のそれぞれに対し、データが typ (標準)、min (最小)、max (最大) という 3 つのコーナーに分けて表示されています。 

I/O ピンの全体的な信号動作はこれら 4 つの表からだいたい決まります。

また、[GND Clamp] および [POWER Clamp] の表もあります。これらは ESD およびクランプ ダイオードのプロパティを表しています。

これらは、ピンにオーバーシュートがあるときに信号動作に影響する傾向があります。


IBIS モデル ファイルのビューアーには、I/V および V/T の表の表示機能があります。次は [Rising Waveform] の例です。


 


 

パッケージ寄生

ザイリンクス ツールでデザインから抽出された IBIS モデルの場合、モデルにパッケージ寄生のセットが含まれます。この情報により、デザイン内の信号伝搬に関しより正確な予測がしやすくなります。

IBIS モデルおよび HSPICE: 

IBIS と SPICE モデルの違いについては、(Xilinx Answer 2932) を参照してください。このアンサーからモデルをダウンロードすることもできます。

IBIS モデルの一般情報については、(Xilinx Answer 3359) を参照してください。

アンサー レコード リファレンス

マスター アンサー レコード

Answer Number アンサータイトル 問題の発生したバージョン 修正バージョン
50644 SelectIO デザイン アシスタント: IBIS モデルおよびシミュレーション N/A N/A

サブアンサー レコード

Answer Number アンサータイトル 問題の発生したバージョン 修正バージョン
2932 IBIS - IBIS モデル (SPICE モデルとの違い) について N/A N/A
3359 IBIS シミュレーション - IBIS モデルで提供される情報とされない情報について N/A N/A
AR# 50653
日付 06/02/2017
ステータス アクティブ
種類 ソリューション センター
デバイス