このアンサーは、IBIS モデルの制限事項の一部をまとめたものです。
IBIS モデルは、PCB プランニングをしやすくし、ボード レベルのシグナル インテグリティの問題をデバッグするために、使用されることが多くなってきています。
これはカスタマー ボードでよくみられる問題を再現するのに強力なツールです。ただし制限事項がいくつあり、このアンサーではその一部を説明します。
このアンサーは、SelectIO ソリューション センター(Xilinx Answer 50924) のデザイン アシスタント (Xilinx Answer 50926) の一部です。
タイミング:
IBIS では、I/O バッファーを介した遅延の計測はサポートされていません (ピンから内部ファブリックまでとその逆)。デバイス データシートでは、これが Tiopi および Tioop として記されています。
IBIS では、I/O バッファーを介した遅延の計測はサポートされていません (ピンから内部ファブリックまでとその逆)。Tioop は、IOB パッドの O ピンから、出力バッファーを介した IOB パッドまでの伝搬遅延を表しています。
IBIS シミュレーションでは、これらのパラメーターの情報は提供されませんが、その計測手法は IBIS モデル内に含まれています (Vmeas、Cref、Rref および Vref)。
トライステート化された I/O:
IBIS ではトライステート化された I/O の動作はモデル化されません。たとえば、ドライバーがトライステートのとき、出力の電圧レベルがどれぐらいか、あるいはライン上のその他のデバイスへの影響がどうなるかといったことはモデル化されません。トライステート化されているドライバーのある IBIS シミュレーションは設定できません。
SSN 効果:
RX/TX エラーが発生していると見受けられるハードウェア デバッグ状況の多くで共通しているデバッグ プロセスの 1 つに、同時スイッチ出力ドライバーが電源およびグランド レールに変動を引き起こしているかどうかのチェックがあり、その後信号にカップリングされます。
こうすると、ハードウェア上でデータが間違って送信および受信される可能性があります。IBIS シミュレーションでは SSN 効果をモデル化できません。つまり、IBIS シミュレーションでは信号の質が良くても、ハードウェアではエラーが起きてしまうという状況が発生する可能性があります。
UltraScale+ デバイスでは、IBIS 5.x のサポートが追加されています。このバージョンの IBIS は、消費電力を意識したシミュレーションに使用できます。
電源の変動
シミュレーションでは電源電圧値の一部を変更可能です。 ただし、IBIS シミュレーション ツールで時間変動する電圧は使用できず、電源またはグランド レールにランダム ノイズ ソースを重ねることもできません。つまり、このシミュレーションではレールの質は考慮されません。
また、VCCAUX/VCCINT のようなデバイス上のほかのレールのパフォーマンスを下げる方法もありません。
場合によっては、I/O 回路への電源投入に VCCAUX が使用されます。 7 シリーズ デバイスの場合、より高性能に向けた 2V の VCCAUX_IO 用の専用モデルがあります。VCCAUX_IO = 2.0V で、名前に AUX20 が含まれている特定モデルがあります。たとえば、HSTL_I_DCI_18_S_AUX20_HP_O です。
フローティング I/O ピン:
IBIS では、ホット スワップなどをシミュレーションするための、信号を入力へ接続する効果をシミュレーションすることはサポートされていません。
このシミュレータでは、フローティング ピンをシミュレーションに IBIS モデルを使用できないようにするため、すべての入力ピンを接続する必要があります。
抜けているレール:
IBIS では、VCCO レールをオフにしても I/O の入力へ信号を適用する効果をシミュレーションできません。
IBIS モデルからは、このモードでの操作での情報が提供されません。 HyperLynx ツールでは、電源がオフになっているか、モデルで電源が 0 に設定されている場合、シミュレーションは実行されません。
Answer Number | アンサータイトル | 問題の発生したバージョン | 修正バージョン |
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50644 | SelectIO デザイン アシスタント: IBIS モデルおよびシミュレーション | N/A | N/A |
AR# 50955 | |
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日付 | 06/02/2017 |
ステータス | アクティブ |
種類 | ソリューション センター |
デバイス |