ISE 14.3/Vivado 2012.3 デザイン ツールに含まれる MIG v1.7 から、温度が変動した場合に読み出しデータ ウィンドウに対して DQS の中央アライメントを保持するための温度モニター システムが DDR3、DDR3L、DDR2 デザインに含まれています。このアンサーは、『7 シリーズ FPGA メモリ インターフェイス ソリューション ユーザー ガイド (AXI)』 (UG586) の「DDR3 および DDR2 メモリ インターフェイス ソリューション」→「コアのアーキテクチャ」→「PHY」に記載されている情報を捕捉するものです。
注記 : このアンサーはザイリンクス MIG ソリューション センター (ザイリンクス アンサー 34243) の一部です。ザイリンクス MIG ソリューション センターには、MIG に関する質問を解決するのに役立つ情報が記載されています。MIG を含むデザインを新しく作成する場合、または問題をトラブルシュートする場合は、このザイリンクス MIG ソリューション センターから情報を入手してください。
概要
温度モニター キャリブレーションは、7 シリーズ XADC モジュールを利用します。MIG 7 Series デザインは、user_design/rtl/clocking/mig_7series_v1_x_tempmon.v モジュール内の XADC ブロックをインスタンシエートし、コンフィギュレーション可能な間隔でポーリングを実行します。
XADC は現在の温度を出力し、MIG デザインでこの情報を使用して必要に応じて DQS と読み出しデータ ウィンドウのアライメントを調整します。
XADC 温度を読み出し、必要に応じて調整する RTL は、user_design/rtl/phy/mig_7series_v1_x_ddr_phy_tempmon.v モジュールにあります。
リフレッシュまたは ZQ Short キャリブレーションが DRAM に送信され、保留になっているすべてのトランザクションが DQ バスからクリアされると、メモリ コントローラーがイネーブル信号 (tempmon_sample_en) を mig_7series_v1_x_ddr_phy_tempmon.v モジュールに送信します。
MIG 7 Series キャリブレーションが完了した後、ベースラインを確立するために初期温度が読み出されます。
この後イネーブル信号が送信されるたびに、このベースライン温度と現在の温度が比較されます。
温度の変動がしきい値を超えると、DQS と読み出しウィンドウのアライメントのアップデート プロセスが開始し、温度変動を緩和するために PHASER_IN ファイン遅延がモジュールによって調整され、新たなベースライン温度が設定されます。
このプロセスは、標準操作中継続して実行されます。
10 マイクロ秒ごとに XADC ブロックがポーリングされて温度が読み出され、リフレッシュおよび ZQ キャリブレーション中にメモリ コントローラーで必要なアップデートが実行されます。
サポートされている周波数範囲全体で温度モニター キャリブレーションが使用されます。
これらの変更による MIG 7 Series DDR3/DDR2 デザインのパフォーマンス仕様への影響または変更はありません。
XADC を使用していないデザイン
現在 XADC ブロックを使用していないデザインでは、v1.7 の MIG 7 Series により、メモリ コントローラー デザインに自動的に XADC ブロックがインスタンシエートされます。MIG のカスタマイズ ウィンドウの [FPGA Options] ページで、[XADC Instantiation] オプションが [Enabled] (デフォルト) に設定されていることを確認してください。また、下の「XADC ボード セットアップおよび MIG の使用法」セクションの要件も満たす必要があります。
XADC を使用しているデザイン
7 シリーズ デバイスには、XADC は 1 つしかありません。XADC ブロックを既に使用しているデザインでは、ユーザー デザインでブロックを使用しながら、MIG 7 Series コードに温度を定期的に供給できます。デザインでの XADC の使用は、次のようになっている必要があります。
XADC の使用の詳細は、『7 シリーズ FPGA XADC 12 ビット 1MSPS デュアル アナログ - デジタル コンバーター ユーザー ガイド』を参照してください。
生成された MIG 7 Series コアで XADC のインスタンシエーションをディスエーブルにするには、[XADC Instantiation] オプションを [Disabled] に設定します。このオプションは、MIG 7 Series の [FPGA Options] ページにあります。XADC インスタンシエーションをオフにすると、最上位入力ポート device_temp_i[11:0] が作成されます。DRP ポート DO の 上位 12 ビットを、変換せずにこの入力ポートに接続する必要があります。Vivado 2014.1 以降では、XADC で Averaging がイネーブルになっているので、MIG で 1 ~ 116uS での温度供給がサポートされています。以前のバージョンでは、1 ~ 10uS の更新レートが使用されていました。
MIG 2014.1 以降での XADC のコンフィギュレーションは次のとおりです。
キャリブレーションがイネーブルの連続シーケンス モード
キャリブレーション係数をイネーブル
キャリブレーションの Averaging をイネーブル
温度チャネルに対して Averaging =16 およびイネーブル
MIG コンフィギュレーション温度計測更新時間 : 約 116us
注記 : MIG 7 Series で XADC ブロックのインスタンシエーションをディスエーブルにした場合、ブロックの現在の使用方法が保持されるだけです。温度モニター キャリブレーションの使用をディスエーブルためのものではありません。MIG 7 Series の DDR3/DDR2 デザインでは、DQS を読み出しデータ ウィンドウの中央に保持するために XADC ブロックと温度モニター キャリブレーションが必要です。
EDK における DDRX コアの XADC の使用
EDK で DDRX コアを生成する場合、MIG 7 Series の [XADC Instantiation] オプションは選択できません。生成されたデザインに XADC ブロックがインスタンシエートされるかどうかは、最上位の device_temp_i 入力ポートが接続されているかどうかによって決まります。詳細は、『7 シリーズ FPGA メモリ インターフェイス ソリューション ユーザー ガイド』 (UG586) を参照してください。
XADC ボード設定および MIG の使用
XADC のガイドラインにすべて従っていれば、MIG 7 Series IP でブロックを利用できます。VREFP/N ピンが XADC でサポートされているいずれかのオプションで接続されていれば、MIG で XADC を追加するか、既にデザインに含まれるものを使用できます。
PHY 専用デザインでの注記
温度を読み出し、必要に応じて PHASER_IN ファイン遅延を調整するため、MIG 7 Series コントローラーは mig_7series_v1_x_ddr_phy_tempmon.v モジュールにイネーブル信号を送信します。カスタム コントローラーを使用しているデザインでは、このイネーブルを送信する必要があります。MIG 7 Series コントローラーと同様に、リフレッシュおよび ZQ キャリブレーション中にイネーブルが送信されるようにすることを推奨します。PHY 専用サポートおよび使用法は、(ザイリンクス アンサー 51204) を参照してください。
その他の情報
改訂履歴
2014/04/16 - MIG 2014.1 XADC アップデート情報を含めて更新
2013/03/06 - EDK 特定の情報を追加
2012/10/23 - 初版
Answer Number | アンサータイトル | 問題の発生したバージョン | 修正バージョン |
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51954 | MIG 7 Series DDR2/DDR3 - PHY の初期化およびキャリブレーション | N/A | N/A |
Answer Number | アンサータイトル | 問題の発生したバージョン | 修正バージョン |
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52523 | MIG 7 Series DDR3/DDR2 - 温度モニター回路で温度の変動に基づいて Phaser_IN タップがアップデートされることをシミュレーションする方法 | N/A | N/A |
AR# 51687 | |
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日付 | 04/17/2014 |
ステータス | アクティブ |
種類 | デザイン アドバイザリ |
デバイス | |
IP |