Zynq UltraScale+ MPSoC ZCU102 評価キット のデバッグ チェックリストは、ボード関連の問題をデバッグし、次にボード RMA をリクエストするかどうかを判断するのに便利です。
この ZCU102 ボード デバッグ チェックリストだけでなく、(Xilinx Answer 66752) - 「Zynq UltraScale+ MPSoC ZCU102 評価キット - リリース ノートおよび既知の問題のマスター アンサー」も参照してください。問題がこちらで取り扱われている場合があります。
ここでは扱われていない可能性のある ZCU102 の情報については、ZCU102 の製品ページおよびザイリンクスの Wiki ページを参照してください。
図 68386-1: ZCU102 の機能
表 68386-1: ZCU102 の機能のコールアウト
次のデバッグ手順は、手順 1 から 4 までが確認されていて問題がないことを前提としています。
1) スイッチ/ジャンパー設定
図 68386-2 はボードのジャンパー ヘッダーおよび DIP スイッチの位置を示しています。
図 68386-2: DIP スイッチおよびボード ジャンパー ヘッダーの位置
ZCU102 のデフォルト スイッチおよびジャンパー設定は次の通りです。
デフォルトのスイッチおよびジャンパー設定を確認するところからまずは始め、その後にアプリケーションに合わせてスイッチ/ジャンパーを設定します。
a) DIP スイッチのデフォルト設定:
表 68386-2: デフォルトのスイッチ設定
b) デフォルトのジャンパー設定
表 68386-3: デフォルトのジャンパー設定
c) DIP スイッチ SW6 コンフィギュレーション オプションの設定:
スイッチ SW6 コンフィギュレーション オプションの設定は表 68386-4 にまとめられています。
表 68386-4: スイッチ SW6 コンフィギュレーション オプションの設定
2) ボード電源
ZCU102 は Maxim PMBus ベースの電源システムをホストします。Maxim MAX20751EKX、MAX15301、MAX15303 の電圧レギュレータそれぞれに、PMBus インターフェイスがあります。
図 68386-3 は ZCU102 電源システムのブロック図です。
パワーオン LED のステータスはボードの状態を表します。
a) パワーオン時に次の LED のステータスを確認します。
表 68386-6: 電源およびステータスの LED
b) パワーオン時にこれらのエラー LED のステータスをチェックします。LED が点灯している場合は、エラーがあることを示しています。
表 68386-7: エラー LED
図 68386-4: 電源およびステータス LED の位置
ZCU102 では、ZCU102 Digilent USB-to-JTAG モジュール、U21 に差し込まれている USB A-to-micro-B ケーブルが使用されます。
プラットフォーム ケーブル USB II などのザイリンクス ダウンロード ケーブルでパラレルにアクセスするため、2 mm の JTAG ヘッダー (J8) も提供されています。
a) USB A-to-micro-B ケーブル:
4) JTAG 初期化
ザイリンクス ツール (Vivado のハードウェア マネージャー) を使用して、ボード JTAG チェーンのステータスは確認できます。
JTAG チェーンが正しく初期化されたことを確認するには、次の JTAG 初期化テスト ケースに従ってください。
1. ZCU102 から FMC カードをすべて取りはずします。
2. JTAG モード (0000) のモードスイッチ SW6 を設定します。ZCU102 の場合は ON ON ON ON です。
3. PC 本体ではなく、ベンチの ZCU102 に電源を投入します。
4. Digilent USB A-to-micro B ケーブルを ZCU102 に接続します (Digilent のオンボード USB-to-JTAG コンフィギュレーション ロジック モジュール U21、ヘッダー J2)。
5. [Device Manager] に Digilent デバイスが表示されていることを確認します。
6. ザイリンクス ツール (Vivado 2016.4 またはそれ以降のバージョンで、できれば ZCU102 をサポートする最新版) がインストールされていることを確認します。
7. Vivado ハードウェア マネージャーを起動します。ケーブルが正しく識別されていることを確認してください。
上記の手順に従っても JTAG チェーンを初期化できない場合は、ボードおよび PC から Digilent USB A-to-micro-B を取り外してください。
プラットフォーム ケーブル USB をヘッダー J8 に接続し、PC にも接続します。
ザイリンクス ツール (できれば ZCU102 をサポートする最新版) がインストールされていることを確認します。
Vivado ハードウェア マネージャーを起動します。ケーブルが正しく識別されていることを確認してください。
上記の手順に従っても JTAG チェーンを初期化できない場合は、サポートウェブページ で利用可能なサポート オプションを確認してください。
5) JTAG コンフィギュレーション
JTAG チェーンが問題なく初期化されたが、JTAG コンフィギュレーションにエラーが発生した場合は、次の点をチェックしてください。
a) JTAG コンフィギュレーション モードのモード スイッチ設定を確認します。
SW6 = 0000 (on, on, on, on)
b) Vivado ハードウェア マネージャーで、低いケーブル周波数を選択し、コンフィギュレーションしてみます。
c) ZCU102 の PS_PROG_B プッシュボタンに電源を投入します (SW5)。FPGA へのパワーアップ ランプ レートの問題によって引き起こされる問題をこれでクリアすることができます。
d) (Xilinx Answer 34904) - 「ザイリンクス コンフィギュレーション ソリューション」を確認してください。コンフィギュレーション ソリューション センターには、コンフィギュレーションに関する質問が集められています。
上記の手順に従っても JTAG コンフィギュレーションでエラーが発生する場合は、 サポート ページでサポート オプションを確認してください。
6) Quad-SPI コンフィギュレーション
有効な Zynq UltraScale+ MPSoC ブートイメージを MIO Quad-SPI インターフェイスに接続されている Quad-SPI フラッシュ デバイスに格納し、ブート モード ピンを SW6 [4:1] = QSPI32 に設定し、それから、パワーサイクリングを始めるか、パワーオンリセットプッシュボタンを押すと、デュアル Quad-SPI 不揮発性コンフィギュレーション メモリからブートできます。
ZCU102 でデュアル Quad-SPI フラッシュ デバイスを間接的にプログラムするには、Vivado ハードウェア マネージャーを使用できます。
デュアル Quad-SPI フラッシュにプログラムされたビットストリームは、Zynq UltraScale+ FPGA U1 をコンフィギュレートするのに使用されます。ZCU102 の SPI フラッシュに MCS ファイルを読み込んでいて、その後に続く Zynq UltraScale+ MPSoC デバイスの SPI コンフィギュレーションにエラーが発生する場合は、次の点を確認します。
a) MCS ファイルが正しく読み込まれている場合、JTAG cジェーンに追加されているフラッシュ デバイスが選択されていることを確認します。
フラッシュ デバイスをクリックすると、MCS ファイルが正しく読み込まれているかが確認できます。
ZU9EG デバイスに接続されているフラッシュ デバイスが確認できない場合は、(UG908) 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド:プログラムおよびデバッグ』を参照してください。この資料の最新版は Xilinx.com から入手できます。
b) QSPI32 コンフィギュレーションのモード スイッチを確認します。
QSPI32 Mode Pins[3:0] = 0010 (on, on, off, on)
c) Vivado ハードウェア マネージャーで、低いケーブル周波数を選択し、コンフィギュレーションしてみます。
d) ZCU102 で PROG プッシュ ボタンに電源を投入し、コンフィギュレーション イメージを使用して FPGA を再読み込みします。
e) (Xilinx Answer 34904) - 「ザイリンクス ソリューション センター」コンフィギュレーション ソリューション センターには、コンフィギュレーションに関する質問が集められています。
上記の手順に従っても SPI コンフィギュレーションでエラーが発生する場合は、 サポート ページでサポート オプションを確認してください。
7) IBERT
ZCU102 が正しくコンフィギュレーションされるが、IBERT インターフェイスが予期どおりに動作しない場合は、次の点を確認します。
a) MGT ループバックを使用している場合は、SMA ケーブル、SMA クイック コネクト、コネクト オプティカル ループバック アダプター、Mictor ブレークアウト アダプター プラグ、XM107 など、正しい機器があることを確認してください。
詳細は、XTP435 ZCU102 ソフトウェア インストールおよびボード設定を参照してください (一部のハードウェアはオプションです)。
b) 使用しているシリコンおよびツール バージョンに該当するバージョンの ZCU102 IBERT サンプル デザインをダウンロードして実行します。
ZCU102 をサポートする最新版、およびそれに関連付けられているバージョンの ZCU102 IBERT サンプル デザインを常に使用することを推奨します。
関連の PDF に従います。
すべて、ZCU102 サンプル デザイン ページから入手できます。
d) IBERT デザイン アシスタント: (Xilinx Answer 45562)
上記の手順に従っても問題を解決できない場合はサポート ウェブページでサポート オプションを確認してください。
DDR4/MIG に問題があると思われる場合は、次の点を確認してください。
a) DDR4 SODIMM コンポーネント メモリがソケット J1 に正しく接続されていることを確認します。
b) 使用しているシリコンおよびツール バージョンに該当するバージョンの ZCU102 MIG サンプル デザインをダウンロードして実行します。
ZCU102 をサポートする最新版、およびそれに関連付けられているバージョンの ZCU102 MIG サンプル デザインを常に使用することを推奨します。
関連の PDF に従います。
すべて、ZCU102 サンプル デザイン ページから入手できます。
c) ZCU102 MIG サンプル デザインの資料: ZCU102 MIG PDF: xtp432.pdf を読みます。
d) (Xilinx Answer 34243) - 「ザイリンクス MIG ソリューション センター」を参照してください。MIG (Memory Interface Generator) ソリューション センターは、MIG に関する質問を解決するのに役立つ情報を掲載しています。
上記の手順に従っても問題を解決できない場合はサポート ウェブページでサポート オプションを確認してください。
ZCU102 のインターフェイスが正しく機能していることを確認するため、(Xilinx Answer 69244) を参照してください。
このアンサーは (Xilinx Answer 43748) - 「ザイリンクス ボードおよびキット - デバッグ アシスタント」の一部です。
上記の手順に従っても問題を解決できない場合はサポート ウェブページでサポート オプションを確認してください。
10) ZCU102 の既知の問題点
Zynq UltraScale+ MPSoC ZCU102 評価キットの既知の問題点はすべて (Xilinx Answer 66752) - 「Zynq UltraScale+ MPSoC ZCU102 評価キット - 既知の問題およびリリース ノート」にリストされています。
直面している問題がリリース ノートおよび既知の問題のマスター アンサーにはなく、上記の手順に従っても問題を解決できない場合は、サポート ウェブページでサポート オプションを確認してください。
Answer Number | アンサータイトル | 問題の発生したバージョン | 修正バージョン |
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43748 | ザイリンクス ボードおよびキット - デバッグ アシスタント | N/A | N/A |
AR# 68386 | |
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日付 | 06/30/2017 |
ステータス | アクティブ |
種類 | 一般 |
Boards & Kits |