Kintex UltraScale+ FPGA KCU116 評価キットのチェックリストは、ボード関連の問題をデバッグし、次にボード RMA をリクエストするかどうかを判断するのに便利です。
この KCU116 ボード デバッグ チェックリストを確認し始める前に、(Xilinx Answer 68360) - 「Kintex UltraScale+ FPGA KCU116 評価キット - 既知の問題およびリリース ノートのマスター アンサー レコード」を参照してください。問題がこちらで取り扱われている場合があります。
図 69315-1: KCU116
表 69315-1: コールアウト
次のデバッグ手順は、手順 1 から 4 までが確認されていて問題がないことを前提としています。
1) スイッチ/ジャンパー設定
KCU116 のデフォルト スイッチおよびジャンパー設定は次のとおりです。
デフォルトのスイッチおよびジャンパー設定を確認するところからまずは始め、その後にアプリケーションに合わせてスイッチ/ジャンパーを設定します。
a) DIP スイッチのデフォルト設定:
DIP スイッチはアクティブ High です (DIP スイッチがクローズ、つまり 1 の場合、接続されているネットは High にプルアップされる)。
b) DIP スイッチ SW21 モード設定:
モード ピンの M1 および M0 は、ロジック 0 および 1 にそれぞれハード接続されています。
モード ピン M2 は SW21 ピン 6 (スイッチ位置 6) に接続されており、デフォルト設定は OPEN で、M2 ネットがロジック 0 にプルダウンされ (例: FPGA デフォルト モード設定 M[2:0] = 001)、Quad SPI コンフィギュレーション モードが選択されます。
c) デフォルトのジャンパー設定:
下の図は、KCU116 ボードのジャンパー ヘッダーの位置を示しています。
この図において番号が付いている各コンポーネントは、その下の表と一致しており、デフォルトのジャンパー設定が特定されています。
パワーオン LED のステータスはボードの状態を表します。
a) パワーオン時に次の LED のステータスを確認します。
b) イーサネット PHY ステータス LED。
PC 本体の PCIe スロットに差し込まれている場合、これらの LED は KCU116 ボードの左端から見えるように設置されています。
2 つの PHY ステータス LED は、次に示すように、P3 RJ-45 コネクタの金属部に組み込まれています。
c) 電圧および電流モニター機能と、Maxim 統合電源システムのコントロールは、KCU116 システム コントローラーまたは Maxim Integrated PowerTool ソフトウェアのグラフィカル ユーザー インターフェイスを介して使用できます。
KCU116 システム コントローラーは、ボードの電源レールの電圧および電流値をモニターするのに最も簡単で便利な方法です。
システム コントローラーの詳細は、https://japan.xilinx.com/support/documentation/boards_and_kits/kcu116/ug1239-kcu116-eval-bd.pdf からダウンロードできる『KCU116 ボード ユーザー ガイド』 (UG1239)、および KCU116 製品ページから入手できる『KCU116 システム コントローラー チュートリアル』 (XTP465) を参照してください。
Maxim Integrated InTune 電源コントローラーは、PMBus コネクタ J84 を介してアクセスできます。
このコネクタを使用するには、Maxim PowerTool USB ケーブル/ドングル (Maxim パーツ番号 MAXPOWERTOOL002#) が必要になります。
パワーオン LED が電源投入時に点灯しないときは、KCU116 上の Maxim 統合電源コントローラーをプログラムし直す必要がある場合があります。
これには、Maxim Integrated PowerTool ソフトウェア パッケージおよび Maxim Integrated ドングルを使用します。
KCU116 上の Maxim Integrated 電源ソリューションの詳細は、(Xilinx Answer 69811) を参照してください。このアンサーには、無償の Maxim Integrated USB ケーブルの注文方法も記載されています。
KCU116 上の Maxim Integrated 電源コントローラーは再プログラム可能です。KCU116 で電源の問題が発生したときは、まずこのデバッグを行ってください。
Maxim デバイスを再プログラムするために使用するスクリプトを含め、詳細な手順については、(Xilinx Answer 69856) を参照してください。
d) 12V 電源 LED (KCU116 では DS2) が電源投入時に緑色にならず、LED 自体に問題がない場合は、12V DC が KCU116 電源入力コネクタに供給されていません。
次の手順に従ってください。
3) ケーブル検出
KCU116 では、KCU116 Digilent USB-to-JTAG モジュール U21 に差し込まれている USB A-to-micro-B ケーブルが使用されます。
プラットフォーム ケーブル USB II などのザイリンクス ダウンロード ケーブルでパラレルにアクセスするため、2 mm の JTAG ヘッダー (J8) も提供されています。
a) USB A-to-micro-B ケーブル:
4) JTAG 初期化
ザイリンクス ツール (Vivado のハードウェア マネージャー) を使用して、ボード JTAG チェーンのステータスは確認できます。
JTAG チェーンが正しく初期化されたことを確認するには、次の JTAG 初期化テスト ケースに従ってください。
上記の手順に従っても JTAG チェーンを初期化できない場合は、サポート ウェブページで利用可能なサポート オプションを確認してください。
5) JTAG コンフィギュレーション
JTAG チェーンが問題なく初期化されても、JTAG コンフィギュレーションにエラーが発生した場合は、次の点を確認します。
a) JTAG コンフィギュレーション モードのモード スイッチ設定を確認します。
b) Vivado ハードウェア マネージャーで、低いケーブル周波数を選択し、コンフィギュレーションしてみます。
c) KCU116 で PROG プッシュ ボタン (SW5) をアサートします。
FPGA へのパワーアップ ランプ レートの問題によって引き起こされる問題をこれでクリアできます。
d) (Xilinx Answer 34904) - 「ザイリンクス コンフィギュレーション ソリューション センター」を確認します。
コンフィギュレーション ソリューション センターには、コンフィギュレーションに関する質問が集められています。
上記の手順に従っても JTAG コンフィギュレーションでエラーが発生する場合は、サポート ウェブページで利用可能なサポート オプションを確認してください。
6) マスター SPI コンフィギュレーション
KCU116 で QSPI フラッシュ デバイス (U2、U3) を間接的にプログラムするには、Vivado ハードウェア マネージャーを使用できます。
SW21 を使用して次のように設定します。
SPI フラッシュ デバイスにプログラムされたビットストリームは、UltraScale+ FPGA U1 をコンフィギュレーションするために使用されます。
KCU116 の SPI フラッシュに MCS ファイルを読み込み、その後の Kintex UltraScale+ デバイスのマスター SPI コンフィギュレーションにエラーが発生した場合は、次の点を確認してください。
a) MCS ファイルが正しく読み込まれている場合、JTAG チェーンに追加されているフラッシュ デバイスが選択されていることを確認します。
フラッシュ デバイスをクリックすると、MCS ファイルが正しく読み込まれているかが確認できます。
KU5P デバイスに接続されているフラッシュ デバイスを確認できない場合は、『Vivado Design Suite ユーザー ガイド:プログラムおよびデバッグ』 (UG908) を参照してください。
b) マスター SPI コンフィギュレーションのモード スイッチを確認します。
c) Vivado ハードウェア マネージャーで、低いケーブル周波数を選択し、コンフィギュレーションしてみます。
d) KCU116 で PROG プッシュ ボタン (SW5) をアサートし、コンフィギュレーション イメージを使用して FPGA を再読み込みします。
e) (Xilinx Answer 34904) - 「ザイリンクス コンフィギュレーション ソリューション センター」を確認します。コンフィギュレーション ソリューション センターには、コンフィギュレーションに関する質問が集められています。
上記の手順に従っても SPI コンフィギュレーションでエラーが発生する場合は、 サポート ウェブページで利用可能なサポート オプションを確認してください。
K116 が正しくコンフィギュレーションされても、PCIe インターフェイスが期待どおりに動作しない場合は、次の点を確認します。
a) PC ATX 電源供給 6 ピン コネクタを KCU116 ボードの J52 に差し込まないでください。ATX 6 ピン コネクタには J52 以外のピン配置があります。
ATX 6 ピン コネクタを J52 に接続すると、KCU116 ボードが破損し、ボードの保証対象外になります。
ボードのセットアップおよび電源投入方法は、『KCU116 評価ボード ユーザー ガイド』 (UG1239) に記載されている手順に従ってください。
b) J7、レーン幅がアプリケーションに対して正しく設定されていることを確認します。
c) Kintex UltraScale+ を含む PCI Express の既知の問題について説明している次のアンサーを確認します。
(Xilinx Answer 65751) | UltraScale+ PCI Express Integrated Block - リリース ノートおよび既知の問題 |
(Xilinx Answer 68134) | UltraScale および UltraScale+ FPGA Gen3 Integrated Block for PCI Express- 統合デバッグ機能およびユーザー ガイド |
d) (Xilinx Answer 34536) - 「ザイリンクス PCI Express ソリューション センター」を確認します。
ザイリンクス PCI Express ソリューション センターには、PCI Express に関するすべての質問が集められています。
上記の手順に従っても PCIe の問題を解決できない場合はサポート ウェブページで利用可能なサポート オプションを確認してください。
注記: IBERT を実行するには Vivado ILA が必要です。
Kintex UltraScale+ KCU116 評価キットには、このソフトウェア用にデバイスロックされたライセンスが提供されています。KCU116 では、FMC、PCIe、および zSFP に対して IBERT テストを実行できます。
KCU116 が正しくコンフィギュレーションされても、IBERT が期待どおりに動作しない場合は、次の点を確認します。
a) IBERT テストのため、必要なハードウェアがすべて KCU116 に接続されていることを確認します。
詳細は、KCU116 評価キット ページの「資料」タブから入手できる『KCU116 ソフトウェア インストールおよびボード セットアップ』 (XTP464) および『KCU116 GTY IBERT チュートリアル』 (XTP459) を参照してください。
b) 使用しているシリコンおよびソフトウェア バージョンに該当するバージョンの KCU116 GTY IBERT デザインをダウンロードして実行します。
KCU116 をサポートする最新版のソフトウェア、およびそれに関連付けられているバージョンの KCU116 GTY IBERT サンプル デザインを常に使用することを推奨します。
関連の PDF に従います。すべて KCU116 評価キット ページの「資料」タブから入手できます。
c) KCU116 GTY IBERT サンプル デザイン資料の『KCU116 GTY IBERT チュートリアル』 (XTP459) を読み、そこに記述されている手順に従います。
d) (Xilinx Answer 45562) - 「IBERT デザイン アシスタント - ザイリンクス開発ボード (ML605、KC705 など) での IBERT の使用」を確認します。
上記の手順に従っても IBERT の問題を解決できない場合はサポート ウェブページで利用可能なサポート オプションを確認してください。
DDR4/MIG に問題があると思われる場合は、次の点を確認します。
a) DDR4 DIMM コンポーネント メモリが正しく接続されていることを確認します。
b) 使用しているシリコンおよびソフトウェア バージョンに該当するバージョンの KCU116 MIG サンプル デザインをダウンロードして実行します。
KCU116 をサポートする最新版のソフトウェア、およびそれに関連付けられているバージョンの KCU116 MIG サンプル デザインを常に使用することを推奨します。
関連の PDF に従います。すべて KCU116 評価キット ページの「資料」タブから入手できます。
c) KCU116 MIG サンプル デザイン資料の『KCU116 MIG チュートリアル』 (XTP461) を読みます。
d) (Xilinx Answer 34243) - 「ザイリンクス メモリ インターフェイス ソリューション センター」を確認します。
MIG (Memory Interface Generator) ソリューション センターは、MIG に関する質問を解決するのに役立つ情報を掲載しています。
上記の手順に従っても DDR4 の問題を解決できない場合は、サポート ウェブページで利用可能なサポート オプションを確認してください。
(Xilinx Answer 69859) - 「Kintex UltraScale+ FPGA KCU116 評価キット - インターフェイス テスト デザイン」は、KCU116 でインターフェイスが正しく機能していることを確認するために実行できます。
このアンサーは (Xilinx Answer 43748) - 「ザイリンクス ボードおよびキット - デバッグ アシスタント」の一部です。
上記の手順に従っても問題を解決できない場合はサポート ウェブページで利用可能なサポート オプションを確認してください。
11) KCU116 の既知の問題
Kintex UltraScale+ FPGA KCU116 評価キットに関する既知の問題はすべて (Xilinx Answer 68360) - 「Kintex UltraScale+ FPGA KCU116 評価キット - 既知の問題およびリリース ノートのマスター アンサー レコード」にリストされています。
直面している問題がリリース ノートおよび既知の問題のマスター アンサーにはなく、上記の手順に従っても問題を解決できない場合は、サポート ウェブページで利用可能なサポート オプションを確認してください。
Answer Number | アンサータイトル | 問題の発生したバージョン | 修正バージョン |
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43748 | ザイリンクス ボードおよびキット - デバッグ アシスタント | N/A | N/A |
AR# 69315 | |
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日付 | 11/13/2017 |
ステータス | アクティブ |
種類 | 一般 |
Boards & Kits |