多様なアプリケーション要件に対応するために、Versal™ アダプティブ SoC は 3 つのタイプのスカラー プロセッサを備えています。アプリケーション プロセッシング ユニットは、OS でサポートされる複雑なアプリケーションに最適です。リアルタイム プロセッシング ユニットは、低レイテンシ、確定的動作、リアルタイム制御を必要とするアプリケーションに最適です。最後に、独立したプラットフォーム管理コントローラーは、システムの起動、セキュリティ、およびデバッグを管理します。
プログラマブル ロジックにより、進化し続けるアルゴリズムに対応するカスタム演算ブロックの開発が可能です。Versal アダプティブ SoC の再設計されたロジックは、CLB あたり 4 倍の密度を提供し、コスト高をもたらすグローバル配線の必要性を緩和します。さまざまなメモリ エレメントを備え、プログラム可能な I/O と緊密に結合された適応型エンジンは、あらゆるアプリケーションに対応できる強力なアクセラレータを実現します。
AI エンジン ベクター ベースのアルゴリズムで最大 5 倍の演算密度を実現します。リアルタイム DSP および AI/ML 演算に最適化された AI エンジンは確定的な性能を提供します。
拡張 DSP エンジンは、単精度および半精度の浮動小数点演算や 18 x18 複素数乗算など、新しい演算やデータ型に対応します。
Versal AI コア シリーズは、PCIe™ Gen4/5 への準拠、CCIX のサポート、高性能 GPIO、およびさまざまなイーサネット構成をサポートするマルチレート イーサネット MAC を備えているため、接続性と柔軟性に優れています。さらに、Versal AI コア シリーズ デバイスは、再設計された低レイテンシの 32.75Gb/s トランシーバーを搭載しています。
電力効率のよいハード化されたビデオ デコーダー ユニット (VDU) は、複数のビデオ デコーダー エンジン (VDE) で構成されており、各エンジンにつき 4Kp60 解像度のシングル ストリームから 720p15 解像度の 32 ストリームまでの H.264 および H.265 の規格に対応しています。VDU は、複数のビデオ入力をデコードしたり、高度な ML アルゴリズムを実行するセントラル ハブに供給する、多数の画像処理アプリケーションに最適です。
プログラム可能なネットワーク オン チップ (NoC) は、Versal アダプティブ SoC アーキテクチャ内の異なる演算エンジンと 統合 IP ブロック間に最適化済みのマルチテラビット インターコネクトを提供します。これにより、タイミング クロージャが容易になり、ロジック リソースも節約できます。NoC コンパイラは合理化したプログラミング フローを提供し、重要なデータパスに優先順位を付けることができるため、ユーザーによるレイテンシと QoS の管理が可能です。
ビームフォーミングは、膨大な信号データをリアルタイムに処理する必要があります。適応型エンジンがステータス制御とデータのフォーマット処理を実行している間、AI エンジンと DSP エンジンが固定/浮動小数点信号処理を実行することで、高性能な並列処理が実現します。
たたみ込みニューラル ネットワーク (CNN) が進化し続ける中、演算密度の高い処理が求められるようになりました。この課題を解決できるソリューションは、コストと消費電力を最適化しながら演算密度を向上させることができる AI エンジンを備えた Versal™ AI コア シリーズ デバイスだけです。
Versal AI コア シリーズ デバイスは、リアルタイムのナンバープレート認識や顔認識、またはオブジェクト分類を駆動する AI エンジン、ビデオ トランスコーディング用のビデオ デコーダー ユニット、さらにビデオ スケーリング/圧縮/カスタマイズ用の適応型エンジンを提供し、スマートシティのエッジで運用されるさまざまなビデオ処理アプリケーションを可能にします。
Versal AI コア シリーズは、並列ビームフォーミングやリアルタイム画像処理を高速化し、高品質の画像生成や機械ベースの画像分析を実現できるため、医師や放射線技師はより迅速かつ正確な診断が可能になります。
小型フォーム ファクターで、強力なベクター ベースの DSP エンジンと AI エンジンを組み合わせることによって、アクティブ電子走査アレイなどの高度なレーダーを実現できます。AI コア シリーズ デバイスは、単一パッケージで 1 秒間にテラビット単位のデータ転送を可能にするアンテナ帯域幅を提供します。
ワイヤレス テスト装置には、リアルタイム DSP が広く使用されています。Versal AI エンジンのアーキテクチャは、デジタル フロントエンドからビームフォーミングやベースバンドに至るまで、5G を含むあらゆるタイプのプロトコル実装に適しています。
VC1502 | VC1702 | VC1802 | VC1902 | VC2602 | VC2802 | |
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アプリケーション処理ユニット | デュアル コア Arm® Cortex®-A72、48KB/32KB L1 キャッシュ (パリティおよび ECC あり)、1MB L2 キャッシュ (ECC あり) | |||||
リアルタイム プロセッシング ユニット | デュアル コア Arm Cortex-R5F、32KB/32KB L1 キャシュ、および 256KB TCM (ECC あり) | |||||
メモリ | 256 KB オンチップ メモリ (ECC あり) | |||||
コネクティビティ | イーサネット (x2); USB 2.0 (x1); UART (x2); SPI (x2); I2C (x2); CAN-FD (x2) |
VC1502 | VC1702 | VC1802 | VC1902 | VC2602 | VC2802 | |
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AI エンジン | 198 | 304 | 300 | 400 | 0 | 0 |
AI エンジン-ML | 0 | 0 | 0 | 0 | 152 | 304 |
DSP エンジン | 1,032 | 1,312 | 1,600 | 1,968 | 984 | 1,312 |
VC1502 | VC1702 | VC1802 | VC1902 | VC2602 | VC2802 | |
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システム ロジック セル (K) | 815 | 981 | 1,586 | 1,968 | 820 | 1,139 |
LUT | 372,352 | 448,512 | 725,000 | 899,840 | 375,000 | 520,704 |
VC1502 | VC1702 | VC1802 | VC1902 | VC2602 | VC2802 | |
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NoC マスター/NoC スレーブ ポート | 21 | 21 |
28 | 28 | 21 | 21 |
DDR メモリ コントローラー | 3 | 3 |
4 | 4 | 3 | 3 |
CCIX PCIe® (DMA 付き) (CPM) | 1 x Gen4x16、 CCIX |
1 x Gen4x16、 CCIX |
1 x Gen4x16、 CCIX |
1 x Gen4x16、 CCIX |
2 x Gen5x8、 CCIX |
2 x Gen5x8、 CCIX |
PCI Express® | 4 x Gen4x8 | 4 x Gen4x8 | 4 x Gen4x8 | 4 x Gen4x8 | 4 x Gen5x4 | 4 x Gen5x4 |
100G マルチレート イーサネット MAC | 3 | 4 | 4 | 4 | 2 | 2 |
ビデオ デコーダー エンジン (VDE) | - | - | - | - | 2 | 4 |
GTY トランシーバー | 32 | 44 | 44 | 44 | 0 | 0 |
GTYP トランシーバー | 0 | 0 | 0 | 0 | 321 | 321 |
1.16 GTYP トランシーバーは、PCI Express を使用する場合の CPM5 専用です。
AMD は、Versal アーキテクチャを活用する開発を支援するため、さまざまな資料、リソース、設計手法を提供しています。Versal アダプティブ SoC を使用して開発を始めるときに、まず何から着手すべきか分からない場合には、インタラクティブなガイダンスを提供するデザイン フロー アシスタントを利用して開発の戦略を立てることができます。また、デザイン プロセス ハブでは、Versal に関するすべての資料が設計段階ごとに分類および表示されているため、必要な情報をすぐに入手できます。
本質的にソフトウェアでプログラム可能なシリコン インフラストラクチャを持つ Versal™ アダプティブ SoC は、ゼロから設計されたソフトウェア中心の製品です。機能強化された Vivado™ ML Edition は、トラフィック アナライザー、NoC コンパイラ、データフロー モデリングなどの新しいシステム設計手法と開発環境を提供します。統合型の高速デバッグ環境を利用することで、スカラー エンジン、適応型エンジン、インテリジェント エンジンのデバッグとトレースを高速実行できます。
Vivado ML エディションをダウンロード >
Vitis™ 統合ソフトウェア プラットフォームは、包括的なコア開発キットとハードウェア アクセラレーション テクノロジを使用するライブラリを提供します。このプラットフォームは、クラウドからエッジまで効率的で使いやすい統合ソフトウェア環境を提供します。オープンソース コミュニティに貢献する一員として、AMD は Vitis 統合ソフトウェア プラットフォームをオープンソースとして無償で提供しています。
Vitis 統合ソフトウェアをダウンロード >
AMD の Vitis Model Composer は、Simulink® および MATLAB® 環境でデザインを短時間で試行できるモデル ベースのデザイン ツールです。これにより、RTL および HLS ブロックを AI エンジン カーネルやグラフと一体化させて同じシミュレーションに組み込むことができるため、AI エンジン ADF グラフ開発やシステムレベルでのテストが効率化されます。Versal AI エンジンを Vitis Model Composer で活用する方法は、AI エンジン リソース ページをご覧ください。
ソフトウェア プログラマビリティを備えるようゼロから構築された Versal アダプティブ SoC アーキテクチャを今すぐ評価できます。アダプティブ SoC は、数多くのツール、ソフトウェア、ライブラリ、IP、ミドルウェア、フレームワークでサポートされており、業界標準のデザイン フローで動的にカスタマイズ可能な高速演算ソリューションを可能にしています。Versal AI コア シリーズの VCK190 評価キットには、設計を始めるために必要なものがすべてが含まれています。
AMD のトレーニングおよび資料は、開発者が次回のプロジェクトで十分な生産性を発揮できるように実践的スキルと基礎知識を提供します。
Versal ACAP を使用したデザイン: アーキテクチャと設計手法
Versal ACAP を使用したデザイン: ネットワーク オン チップ
Versal ACAP を使用したデザイン: 消費電力およびボード デザイン
Versal AI エンジンを使用したデザイン 1: アーキテクチャおよびデザイン フロー
Versal AI エンジンを使用したデザイン 2: AI エンジン カーネルを使用したグラフ プログラミング
Versal AI エンジンを使用したデザイン 3: カーネル プログラミングと最適化
AMD は、Versal アーキテクチャを活用する開発を支援するため、さまざまな資料、リソース、設計手法を提供しています。Versal アダプティブ SoC を使用して開発を始めるときに、まず何から着手すべきか分からない場合には、インタラクティブなガイダンスを提供するデザイン フロー アシスタントを利用して開発の戦略を立てることができます。また、デザイン プロセス ハブでは、Versal に関するすべての資料が設計段階ごとに分類および表示されているため、必要な情報をすぐに入手できます。