耐故障設計でシステムのエラー モードを制御するには、エラーの伝搬を確実に制御するインプリメンテーション方法が必要です。AMD の IDF (Isolation Design Flow) では、次に示すさまざまな方法でシングルチップでのフォルト耐性システムを構築して、FPGA モジュール レベルでエラーを抑制します。
政府の暗号化システム向けに開発された IDF は、航空電子機器、機能安全の電子機器、産業用ロボット、重要なインフラ、金融システムなど、そのほかにも高い保証、可用性、信頼性が求められるシステムにも用いることができます。IDF は、数ある信頼性技術のうちの一つであり、それらを適切に組み合わせて使用することによって、最高レベルの信頼性、性能、そしてコスト効果をもたらすことができます。
長年、政府レベルの暗号化システムに採用されてきた IDF は、IEC61508 (インダストリアル向け機能安全規格) に準拠した AMD ツール チェーンに欠かせない一部となります。 さらに、このフローは、ISO26262 仕様 (オートモーティブの機能安全) 要件を満たすのに役立っています。
* 7S50 のみ
ISE Design Suite
Vivado Design Suite
Vivado Design Suite
IDF 検証ツール (IVT および VIV) は、隔離された領域に分割された FPGA デザインがフェースセーフ デザインの厳しい要件を満たしているかを検証します。IVT および VIV は、FPGA デザイン プロセスの 2 つのステージで使用されます。初めは、初期の設計段階でフロアプランおよびピン割り当てに対して一連のデザイン ルール チェックを実行する際に使用します。そしてデザインが完成した後、これらのツールを使用して、デザインに有効なアイソレーション (隔離) が構築されているかを検証します。
ISE Design Suite 用 Isolation Verification Tool (IVT)
IVT は、ISE 環境の外で動作する実行ファイルですが、ISE 環境内に完全に組み込まれています。IVT は、動作しているデザインのアイソレーションを検証するのに必要な一連のデザイン ルール チェック (DRC) として機能します。そして、デザインをグラフィカルに表示し、テキストで詳細レポートを出力します。
IVT の現バージョンは、Virtex 5、Spartan 6、および 7 シリーズ ファミリ FPGA/SoC をサポートしています。
Vivado Design Suite 用 Vivado Isolation Verifier (VIV)
VIV は、Vivado DRC エンジンに統合された Tcl ベース スクリプトです。基本的には、Vivado 内にロードされる一連の DRC であり、デザインのアイソレーションを検証するのに必要なすべてのチェックを実行します。ISE ベースの先行機能 IVT とは異なり、VIV はユーザー フレンドリーな Vivado GUI を利用する開発ツールに統合されていますが、独立した開発経路を維持しています。結果は、Vivado DRC エンジンによってテキスト出力されますが、Vivado DRC GUI ディスプレイにも組み込まれます。
VIV の現バージョンは、Vivado 2015.1 およびそれ以降で 7 シリーズ ファミリ FPGA/SoC をサポートしています。
注記: Vivado アイソレーション検証は、2018.2 以降の Vivado Design Suite に含まれており、UltraScale+ デバイス (Zynq UltraScale+を含む) をサポートしています。詳細は、UG1291: 『Vivado アイソレーション検証ユーザー ガイド』を参照してください。