多機能プリンター/3D プリンターを進化させる
電子メディアが普及しても、プリンターはほとんどのオフィスで必要とされています。多機能プリンター (MFP) は、統合ディスプレイ、リアルタイム画像解析 (OCR、パーソナライズ)、細かいモーター制御を備え、USB 3.0、SATA、10Gb イーサネットなどのさまざまなインターフェイスやストレージ規格をサポートする高度にネットワーク化された高性能システムへと進化しています。その一方で、ファッション、文房具、ラベリングなどの分野では、携帯型のハンドヘルド プリンターの人気が高まっており、プリント機能の統合がさらに求められています。
AMD Zynq™ 7000 SoC は、プリンター ヘッドのモーター制御、画像の処理と圧縮、ユーザー インターフェイス、ストレージ、ネットワーク インターフェイスなど複数の機能を 1 つのチップに統合できるため、チップ数、PCB サイズ、コストを大幅に削減できます。AMD の高性能 SoC および FPGA により、印刷やスキャンを高速化でき、画質も向上します。
トレンドと需要
印刷スピードと画質
画質が向上して 1 分あたりの印刷枚数も増加
AI カメラの統合
ユーザーを認識して、カスタム UI を表示したり、セキュアなアクセスを提供する
音声認識
話しかけることでプリンターを操作できるため、障がいのある方でも利用できる
多機能プリンター

印刷とスキャンの高速化、UI のパーソナライズ、セキュリティの強化により、オフィスの効率化を実現
MFP は、印刷/スキャン エンジン、システム制御、ユーザー インターフェイスなど、複数のモジュールで構成されています。コントローラーの電子機器は、モーター制御や画像処理に ASIC を使用し、システム全体の制御に CPU や SoC を使用するケースが多く見られます。
この ASIC と CPU を 1 つの Zynq 7000 SoC または Zynq UltraScale+™ MPSoC に置き換えることでコストを削減でき、特に ASIC の開発コストを含めると大幅なコスト削減となります。これらのプラットフォームは、新機能やエッジ AI などの最新動向に対応する適応性も備えています。
AI カメラを統合して、近くに来るユーザーを検知し、それぞれの好みに合わせて UI を設定するという新しいコンセプトがあります。また、顔認証を利用して機密文書へのアクセス管理を行うことも可能になります。
3D プリンターとスキャナー
3D プリンター
MFP および産業機器向けの AMD ソリューションを活用して、精密な 3D モーター制御を実現
デスクトップで使用できる小型 3D プリンターは、教育現場では研修や研究に、ファッション業界ではアクセサリーやジュエリーに使用され、ホビイストの間でも注目が高まっています。
OEM メーカーは、AMD の Zynq 7000 SoC や Zynq UltraScale+ MPSoC を使用することで、柔軟なプラットフォーム ポートフォリオを構築でき、さまざまな機能や価格の製品を実現できます。これらの SoC には、制御ループの確定的制御を可能にするリアルタイム ARM マイクロプロセッサが統合されており、USB、CAN、TSN (Time-Sensitive Networking) などの接続規格をサポートしています。


3D スキャナー
画像信号処理とハードウェア アクセラレーションをカスタマイズして、ホスト PC からスキャン ワークロードをオフロードできます。
3D スキャナーは、カメラやその他のセンサーを使用して物体の形状をデジタルでキャプチャし、あらゆるタイプのアプリケーションで使用できる完全な 3D コンピューター モデルを生成できます。現在では、3D オブジェクトをスキャンして、3D デジタル データを使用した複製が可能になりました。
AMD の Spartan™ 6 FPGA から Zynq 7000、Zynq UltraScale+ SoC に搭載されているプロセッシング エンジンは、非常に低い熱エンベロープで動作可能であり、コンパクトなデバイスで高度な画像信号処理機能を実現できます。
ハンドヘルド/ポータブル プリンター
プリント エンジンとモーター制御を統合した単一チップで、クリエイティビティ、パーソナライゼーション、ラベリングの可能性を広げる
ポータブル プリンターの世界市場における今後数年間の CAGR (年間成長率) は 10% と予想されています。これらには、タグ、レシート、バーコードや RFID ラベルの印刷に使用されるプリンターが含まれます。また、どんな表面であってもインクジェット プリントが可能な新しいタイプの携帯型プリンターもあり、衣類や電子機器に名入れしたり、本にラベルを貼ったりする若者に人気があります。これらのプリンターが注目される理由は、ポータビリティ、低価格、そして使いやすさです。
低性能のマイクロコントローラーと FPGA を使用する複数チップ デザインの代わりに、AMD のコスト重視製品ポートフォリオ、その中でも Zynq 7000 SoC を活用することで、超低消費電力で BOM コストを最小限に抑えたシングルチップ ソリューションを構築できます。
顧客のサクセス ストーリー

家庭用プリンター

高性能プリンターとスキャナーの価格を削減
家庭用プリンターは、コストが重視される分野であり、より多くのインクを販売することで成立しています。プリンター内部の電子機器は、非常に安価なチップに実装する必要があり、一般的には ASIC を使用してプロセッサ、モーター制御、スキャナー、印刷機能を実装します。
ASIC の代わりとして、画期的なパッケージング手法を用いてコストに最適化された FPGA や Zynq 7000 SoC ポートフォリオを活用できます。AMD のプラットフォームを使用することで、性能を向上させ、将来的な機能拡張にも対応する柔軟性を備えると同時に、低コストと低消費電力を実現できます。

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