概要

Power Design Manager の紹介

デバイス選択からシステムレベルの電力バジェット配分や熱設計など、FPGA を設計する上でさまざまな判断が必要になるときに消費電力の見積もりが非常に重要になります。長年、FPGA の主な消費電力見積もりツールとして Xilinx Power Estimator (XPE) が使用されてきましたが、近年では FPGA、MPSoC、ACAP (Adaptive Compute Acceleration Platform) デバイスのサイズと複雑性が増し、複雑なハード IP ブロックを含む大規模デバイス アーキテクチャに対応するために、電力見積もり機能を強化する必要がありました。

この Power Design Manager (PDM) は、最大規模の Versal™ および Kria™ SOM 製品に対して正確かつ安定した電力の見積りが可能な次世代プラットフォームであり、Versal 製品ファミリに推奨される消費電力見積もりツールです。

Power Design Manager の機能

  • Versal デバイスに対応し、スピードと安定性が向上
  • Versal AI コア シリーズ、プライム シリーズ、プレミアム シリーズ、AI エッジ シリーズに対応
  • Kria K26 SOM および Kria KV260 スターター キットに対応
  • Vivado® ML エディションの電力設計とサーマル バジェット管理に使用できる新しい XDC ウィザードのユーザー定義制約
  • Windows および Linux で利用可能
  • Versal ACAP ハード IP ブロック向けの機能強化されたウィザード:
    • DDR メモリ コントローラー (DDRMC)
    • 600G チャネライズド マルチレート イーサネット サブシステム (DCMAC)
    • マルチレート イーサネット MAC (MRMAC)
    • FEC 付き 600G Interlaken (ILKN)
    • 400G 高速暗号化 (HSC) エンジン
    • DMA/Bridge とキャッシュ コヒーレント インターコネクトを備える PCI Express® 用の統合ブロック (PCI Express Base Revision 5.0 (CPM5) に準拠)

移行

XPE から PDM へ簡単に移行

PDM は、Versal デバイスの消費電力を評価するツールとして推奨されており、XPE から簡単に移行できます。PDM でプロジェクトを作成する際に [Import XPE File] オプションを選択するだけで完了です。.xpe ファイルをインポートすると、PDM ツールは実装済みデザインに基づいて Versal デバイスのリソース使用量を更新します。

XPE は、引き続き Versal ACAP 以前のすべてのデバイスをサポートします。

Alveo U50 イメージ

サポートする製品

Versal デバイス向けの Power Design Manager

Versal デバイス サポート: Versal AI コア、AI エッジ、プライム/プレミアム シリーズ

Versal AI コア シリーズ チップ イメージ

AI コア シリーズ

今日のサーバー クラスの CPU よりも 100 倍以上の計算性能を提供する AI エンジンを搭載し、適応型推論を高速化できます。

AI コア シリーズの詳細 >

Versal AI エッジ シリーズ チップ イメージ

AI エッジ シリーズ

ワットあたりの AI 処理性能が最先端 GPU の 4 倍以上となり、センサー機能、AI、リアルタイム制御に至るまでアプリケーション全体を高速化できるため、消費電力や熱管理に制約のあるエッジ アプリケーションに最適です。

AI エッジ シリーズの詳細 >

Versal プライム シリーズ チップ イメージ

プライム シリーズ

基本の Versal™ ACAP シリーズは、複数市場の幅広いアプリケーションに対応できるデバイスを提供しています。

プライム シリーズの詳細 >

Versal プレミアム シリーズ チップ イメージ

プレミアム シリーズ

最も要件が厳しいコンピューティング/ネットワーク アプリケーションに対応するために、適応性のあるプラットフォームに電力効率に優れたネットワーク IP コアを統合しています。

プレミアム シリーズの詳細 >


Kria SOM サポート: KV260 ビジョン AI スターター キットおよび K26 SOM

KV260 ビジョン スターター キット イメージ

KV260 ビジョン AI スターター キット

Kria K26 SOM 向けの KV260 開発プラットフォームを利用することで、複雑なハードウェア設計の知識がなくても高度なビジョン アプリケーションを簡単に構築できます。

VKV260 を表示 >

Kria K26 SOM イメージ

K26 SOM

アプリケーション全体の高速化を可能にする最新ソリューションの K26 SOM は、要件の変化に迅速かつ柔軟に対応することが求められるエッジ ビジョン アプリケーションに最適です。

K26 を表示 >

ダウンロード

PDM のダウンロードおよびその他のリソースへのアクセス

役立つ情報

Power Design Manager (PDM) v.2022.2.1 は、以下の製品をサポートするスタンドアロンの消費電力見積りツールです。

Versal™ ACAP: AI コア | プライム | プレミアム | AI エッジ
Kria™ SOM: K26 | KV260

SPE から PDM へ簡単に移行できるため、Versal デバイス向けの機能強化されたウィザードや拡張 OS サポートを是非ご活用ください。


ダウンロード

公開キーはこちらからダウンロードするか、ダウンロード センターからダウンロードしてください。


注記:Windows ユーザー

ダウンロード アーカイブは、tar gzip 形式で圧縮されているため、tar コマンドを使用してアーカイブを解凍する必要があります。

  1. [コマンド プロンプト][管理者として実行] をクリックして管理者権限でコマンド プロンプトを開きます。
  2. PDM ダウンロード アーカイブがあるディレクトリに移動します。
  3. tar コマンドで、同一ディレクトリに解凍します。

tar -zxvf <PDM download file>.tar.gz

または、-c オプションを使用して解凍先を指定します。

tar -zxvf <PDM download file>.tar.gz -C <alternative destination>

シーケンス & デカップリング

電源供給の適切なシーケンス、デカップリング、カップリングは、ボード ブリングアップを円滑に進める上で非常に重要です。PDM ツールを使用することで、2 つの電源レール間を確立できます。

 [Minimum Rails]:

選択したデバイスに対して最小数のレギュレータを使用できます。この場合、ドメインの電力管理により、スタティック消費電力を節約するメリットは享受できません。クロック ゲーティングや周波数スケーリングなどの技術を駆使することで、ダイナミック消費電力を削減することは可能です。

[Full Power Management]:

電源レールを完全に制御できるため、クロック ゲーティングや周波数スケーリングなどによるダイナミック消費電力の削減と、必要に応じて電源ドメインをオン/オフするスタティック消費電力の削減が可能になり、最大限の電力削減効果を実現できます。

PDM には、コア電圧 (Low - 0.7V、Mid - 0.8V、High - 0.88V) と (プロセッシング サブシステム) オーバードライブの設定を選択したデバイスに基づいて、これらのオプションに対応するコンソリデーションとシーケンスが表示されます。

その他、電源テーブル、電源レール グループ、 トレランス、AC リップル、すべての電流要件、さらにダイナミック デカップリングも表示されるため、ユーザーの消費電力見積もりに利用できます。

これにより、ユーザー アプリケーションに応じた適切な電力供給の設計が可能になります。

デカップリング キャパシタと配置も PDM に表示されます。XC (コマーシャル グレード)、XQ (防衛グレード) デバイス向けの推奨されるキャパシタを次に示します。

XC (コマーシャル グレード) の推奨されるキャパシタは次のとおりです。

公称値 ケース サイズ 温度 ESR ESL メーカー メーカー製品番号 FPGA/MPSoC に対する理想的な配置
330uF 1210 X6S 1mΩ 4nH 村田製作所 GRM32EC80E337ME05L BGA エッジから 1 ~ 1.5" 以内
100uF 0805 X6S 1.5mΩ 2.5nH 村田製作所 GRM21BC80G107ME15L BGA エッジから 1 ~ 1.5" 以内
47uF 0603 X6S 2mΩ 2nH 村田製作所 GRM188C80E476ME05D BGA エッジから 1" 以内
22uF 0603 X6S 3mΩ 2nH 村田製作所 GRM188C80G226ME15 BGA エッジから 1" 以内
10uF 0402 X6S 5mΩ 1.5nH 村田製作所 GRM155C80E106ME44 BGA エッジから 1" 以内
1.0uF 0201 X6S 10mΩ 1nH 村田製作所 GRM033C80J105ME05   BGA 直下の電源/グランドビア間
  1. キャパシタから FPGA/MPSoC/ACAP までの拡散インダクタンスが最小になる配置を理想的な配置としています。
  2. 上記のデカップリングは、現在の PDM デザインに基づいており、UG863 に記載されているすべてのキャパシタ配置規則に従っていることを前提としています。
  3. すべての PDN (Power Decoupling Network) シミュレーションを実行して検証することを推奨します。
  4. -55C ~ +105C での推奨されるキャパシタを示しています。

XQ (防衛グレード) の推奨されるキャパシタは次のとおりです。

公称値 ケース サイズ 温度特性 メーカー メーカー製品番号 FPGA/MPSoC に対する理想的な配置
330µF 7343 TantPoly Kemet T541X337M010AH6510 1-4"
47µF 7343 TantPoly Kemet T541X476M035AH6510 0.5-3"
22µF 1210 X7R Kemet C1210C226K8RAL7800 0.5-2"
2.2µF 0805 X7R Kemet C0805C225K4RAL7800 0-1"
0.47µF 0603 X7R Kemet C0603C474K4RAL7867 0-1"
0.1µF 0402 X7R Kemet C0402C104K4RAL7867 0-1"
  1. キャパシタから FPGA/MPSoC/ACAP までの拡散インダクタンスが最小になる配置を理想的な配置としています。
  2. 上記のデカップリングは、現在の PDM デザインに基づいており、UG863 に記載されているすべてのキャパシタ配置規則に従っていることを前提としています。
  3. すべての PDN シミュレーションを実行して検証することを推奨します。
  4. -55C ~ +125C での推奨されるキャパシタを示しています。


検証済み電源のリファレンス デザインは、電力供給ソリューション ページを参照してください。